こども・思春期メタボリックシンドロームの指標:ウエスト・ヒップ比が急浮上

Metabolic syndrome—no longer an adult only disease
The Journal of Pedicatrics Vol.152(2) page A1 Feb 2008ということで、この雑誌今回はメタボリックシンドローム特集である。


子供や思春期対象のメタボリックシンドロームの定義はない訳だが、National Institute of Child Health and Human Developmentは、National Institute of Diabetes and Digestive and Dieaseの共同スポンサーとして、Pediatric Metabolic Syndrome Working Group (PMSWG) の専門委員会を立ち上げた。(The Journal of Pediatrics • February 2008 159.el Huang pdf


Shaibiらは子供の成長に応じて使われるであろうカットオフ値を開発するための子供のリスク推定を行った。
HuangらSunらMorrisonらも同様にリスク要因を追跡し、メタボリックの要因が子供時代に存在するだけでなく、将来のメタボリックシンドロームの尤度を示した。

いくつかの欠点があるが、BMIより中心性肥満がメタボリックシンドロームやインスリン抵抗性の予測として役立つことが示され、
ウェスト径(WC)やウェスト/ヒップ比(W/Ht)のデータの収集の必要性が示唆された。

Maffeisらは、WCとW/Htがメタボリックシンドロームのリスク要因であることを見いだした。
ウェスト経(>90パーセンタイル)・W/Hr(>0.5)を有する過体重の子供は、有意に正常体重・ウェスト少ない・W/Hr(≦0.5)の子供よりメタボリック・心血管リスクが大きい (OR: 7; 95% CI: 3.63-13.48; P < .001, OR: 8.16; 95% CI: 3.87-17.23; P < .001, respectively)
ウェスト・W/Hrカットオフ値である90パーセンタイルと0.5はともにメタボリック・心血管リスクを有する子供を同定するのに役立つ。
しかし、ウェスト経に反して、W/Hrは年齢・性特異的な指標を必要としないという意味で有益である。


BMIより予測因子として有益であり、人種・性別・年齢に応じた指標が作られるべきとした。



小児メタボリックシンドローム自体を私は否定的に見ているのだが、特定比率で必ず病気が存在するという前提の“90パーセンタイル”とというのは不思議な定義だと思う。W/Hrの方がまだ合理性があると思う。

小児のメタボリックシンドロームは決して増えないという矛盾(2006-12-15
小児メタボリックシンドローム (2007-06-22

by internalmedicine | 2008-02-04 16:59 | 動脈硬化/循環器

 

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