“protection of prior learning”
2008年 02月 13日
事前学習効果とでも訳せるのだろうか?
“高価なワインはおいしく感じる? 2008-01-19 ”などのこの一例だろう。
Protection of Prior Learning in Complex Consumer Learning Environments
Journal of Consumer Research
消費者は、「全てのフレンチレストランのサービスは良い」とか、「高いキャンドルは良いにおいがする」とか、商品に関して既成観念が、他の現実的で良好な質のある商品を学習・認識しにくくなる。
一度、アウトカムを予測する合図を覚えたら、人々は同様な合図で異なるアウトカムを予想することをしなくなる。
”protection of prior learning”’(事前学習防御)として知られる現象である研究をチーズテイスティングを用いて行った。
5つの実験シリーズのパイロット研究で、マイルドでクリーミーなオレンジ色のRacletteチーズを味わってもらい、より強い、ドライな味の紫色のDrunken Goatチーズを味わってもらう。かれらは、オレンジ色・マイルドなにおいのチーズに影響された軽度から強度のスケールでチーズのレーティングを行った。対照群は2つの異なるチーズを試験したがレーティングは行わなかった。オレンジ色・マイルドなにおいとの相関をテストするため、手触りや味覚などを困難にして、マイルドでクリーミーなオレンジ色のPort Salutと皮のないドライなManchegoのレーティングを尋ねた。おどろくべきことに、クリーミーなものなのに、対照群より2回目のオレンジ外皮のチーズをクリーミーとすることが少なかった。オレンジ色の外皮を学習したことで、においの違いを予測してしまったことでクリーミーさを予測してしまうようになる・・・
Eurekalert.orgによると、医薬品販売戦略に関係あるようである・・・
この研究はマーケット、政策立案者、消費者に重要である。メルクがコレステロール低下薬剤Simvastatinをブランドネーム:Zocorで導入したが、最近アルツハイマーの発症予防に効果があることが判明し、今度はメルクは"branding dilemma”が生じ、Zocorとアルツハイマーに対する学習が遅れることを示唆する・・・認識形成ができる以前に他のアウトカムと関連させないように当たらし情報提示を行うことが成功につながる・・・(http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-02/uocp-odp021208.php)
商品やサービスで一度痛い目にあうとその会社のものは使いたくないと思うのが普通だろう。逆に、満足すると、ブランドイメージでその会社の商品・サービスを使う。
実地医家の大手後発品メーカーへのイメージにこの"protection of prior learning”が生じているし、ミドリ十字などは一般大衆へもそのイメージが広がっているのである。
大きな病院でたいそうな病気がみつかり、治療されたという情報が“建物が立派な病院”にかかりたがるという事前学習がはたらいて初診からそういう病院にかかりたがるとうような・・・
消費者行動としての興味は尽きない
EBMを学習し始めたとき、"market economy"・”imformation(infomative) technology”というのを読みあさったが・・・自分を客観的にみれておもしろかったが、今回のこの概念もおもしろいと思った。
by internalmedicine | 2008-02-13 11:46 | 医学