ヨーロッパにてタミフル耐性株H274Y・インフルエンザ広がる

タミフル耐性がひろがるのは意外に早かったようだ・・・

週刊ダイヤモンドによると・・・
欧州疾病対策センターの発表によると、A(H1N1)型のインフルエンザで2004年から昨シーズンまでに、タミフル耐性のウイルスは1%未満しか報告されていなかったのに対し、今シーズンは14%からタミフル耐性のウイルスが発見されている。
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/life/2008021302-diamond.html

情報ソース:Emergence of resistance to oseltamivir among influenza A(H1N1) viruses in Europe
http://www.eurosurveillance.org/edition/v13n05/080131_2.asp

(ソース:http://www.eurosurveillance.org/edition/v13n05/080131_Table_Oseltamivir_VIRGIL.jpg


「あまりタミフルが使われていないノルウェーでの耐性ウイルスの検出率が70%だったことなど、不可思議なことが多い」(業界関係者)と、現在のところ発生の原因は、はっきりしていない。




2007年11月から2008年1月まで437のインフルエンザ(H1N1)ウィルスが分離され、ニューラミニデース遺伝子の配列分析とともに、ウィルス酵素の薬剤感受性試験(IC50)がなされた。Oseltavivir耐性ウィルスが9カ国で検出され、ノルウェー26/37、フランス15/87、ドイツ3/43、UK 8/162で同じ変異が見られた。
H274Yという274部位でチロシンとヒスチジンに配列置換されたもので、oseltamivir抵抗性をしめす株である。この変異を有するウィルスは、oseltamivirに400倍感受性減少をすることとなる。このウィルスは他のニューラミニデース薬剤であるzanamivirやアマンタジン・リマンタジンといった抗M2薬剤には感受性は残存した。

この抵抗株H274Yは成人・子供(1ヶ月~61歳)まで広く分離されたが、成人からが大部分。
次第にこのoseltamiviru抵抗ウィルスが次第にある程度の比率になり、特にノルウェーではこの耐性株が主体となりつつある。H274Y変異がヒトヒト感染で広がっている最初の明らかなエビデンスである。





N Engl J Med. 353(25):2633-2636 Dec. 2005

by internalmedicine | 2008-02-13 17:54 | インフルエンザ  

<< 喫煙による平均余命:女性8年、... 破裂動脈瘤に対する血管内治療(... >>