急性有機リン剤中毒管理
2008年 02月 20日
レビューできるほどのトライアル数が無く、従来の報告にとどまっているようだが・・・
Management of acute organophosphorus pesticide poisoning
The Lancet Vol.371(9612):597-607 Feb. 22 2008
有機リン殺虫剤自己服毒は発展途上国の地方では臨床的に重要な問題、年間20万人ほどが死亡。事故は少ないが、毒性の強い有機リン殺虫剤は広く利用されており、其れが問題となっている。
臨床的マネージメントは難しく、15%超の死亡率を一般的に示す。
将来臨床研究デザインを行うとき治療のガイドとなるエビデンスや要因などの解明されているところが少ない。
50年前から治療の核である、atropine、オキシム(oximes:パム(PAM))、diazepamの使用変わらず重要
データ収集の重大な制限項目は、薬剤個別的活性・作用の個性に関する情報の進展、コリンエステラーゼ分析を前提とした治療の研究が遅れている。しかし、アトロピン、酸素、呼吸サポート、輸液が組織への酸素運搬能改善につながり、早期蘇生に重要というコンセンサスがある。
オキシムの役割はまだ明らかでない。特異的に効果のある人や中等程度の場合効果があるのかも知れない。小規模研究では硫酸マグネシウムに関して報告があるが、今後の検討が必要。
胃洗浄は役割としてはあるだろうが、安定した患者にのみ行うべき。
ランダム化臨床トライアルがアジアの地方で行われ、これらの治療法評価がされたが、現在治療困難な有機リン殺虫剤があり、実質的治療法の無いものがある。
Clinical Review
Management of acute organophosphorus pesticide poisoning
BMJ. 2007 March 24; 334(7594): 629–634.
oximeに関して・・・Cochrane Review
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab005085.html
Diazepam in the Treatment of Organophosphorus Ester Pesticide Poisoning.
Review Article
Toxicological Reviews. 22(2):75-81, 2003.
by internalmedicine | 2008-02-20 10:07 | 環境問題