電解水の霧で、花粉を無害化?
2008年 02月 20日
三洋電機は、車のドリンクホルダーに収まるコンパクトな空気清浄器「エネループ エアフレッシャー」を21日に売り出す。充電式なのでオフィス、リビングなどに持ち運んでも使える。電解水の霧が噴き出して空気中のウイルスや花粉を無害化する「ウイルスウオッシャー機能」を備えており、受験生や花粉症に悩む人の強い味方になりそうだ。asahi.com 2008年02月18日18時46分
この記事・・・
"電解水”という概念
"アレルゲンの無害化”という概念
以上の2つに引っかかりを覚える
"電解水”
電解水とは、水道水や薄い食塩水などを弱い直流電圧で電解処理して得られる水溶液の総称である。使用目的に基づき、主に洗浄消毒などの衛生管理に使われる強電解水(強酸性電解水、微酸性電解水、電解次亜水)と飲用アルカリ性電解水(アルカリイオン水)とに大別される。
(pdf:http://www.okakogi.go.jp/Official/publishment/news/pdf/456/p05.pdf)
殺菌基盤は電解によって生じる次亜塩素酸(有効塩素)であり、強電解水はpH や有効塩素濃度が異なる電解生成次亜塩素酸水ということができる。
アルカリイオン水は、アルカリイオン整水器(厚生省の認可名は医療用物質生成器)を用いて、乳酸カルシウムなどの食品添加物として認められているCa 剤を溶出補充した水道水を有隔膜電解槽で弱電解することによって陰極側に生成するpH が9 ~10の電解水である。
強い殺菌力が注目され、多分野で利用されている強電海水は、“殺菌基盤は電解によって生じる次亜塩素酸(有効塩素)であり、強電解水はpHや有効濃度のが異なる電解生成次亜塩素酸水ということとなる”
酸性電解水の殺菌基盤は次亜塩素酸(HCLO)である。塩素は水溶液中のpHに依存して形態を変化させ、酸性域では少量の塩素と多量の次亜塩素酸が共存する。従来、使用されていた次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ域で次亜塩素酸イオン(CLO―)として存在する。次亜塩素酸(HCLO)は次亜塩素酸イオン(CLO―)に比べて反応速度も高く、優れた殺菌力を有している。
酸性電解水は、従来の食品添加物次亜塩素酸ナトリウムと異なり、使用者が現場で製造でき、希釈の必要がなく、従来法に比べ処理時間が短くすみ、手あれを起こしにくく、付着した塩素臭が残りにくいなど作業環境が改善される。 (http://www16.atwiki.jp/hitkik/pages/17.html)
関連学会は「日本機能水学会」(平成14年9 月設立)とのこと
機能水とは、「人為的な処理によって再現性のある有用な機能を獲得した水溶液の中で、処理と機能に関して科学的根拠が明らかにされたもの、及び明らかにされようとしているもの」と定義(日本機能水学会)(http://www.fwf.or.jp/kinousui.html)
電解水の英語訳は?
acidic denkaisui 、electrolyzed waterというのを見つけた
サンヨーの電解水の仕組みわからないので何とも言えないが、殺菌基盤が何なのか?ハロゲンとしての作用は否定できているのか、粘膜・気道損傷の観点から知りたいところである。理論通りであれば、まぁ神経質になることは無いとは思うが・・・
従前の強酸性水だと直接接触で以下の効果という宣伝文句である
で、今回の場合、SANYOのサイトをみると、ミストによるウィルス消毒作用は、“Gunma Prefectural Institute of Public Health and Environmental Sciences”、“Kitasato Institute Medical Center Hospital”で報告されているとのこと。
具体的には、
More than 99% of airborne viruses were removed after one passage through the disinfectant element. Test method: Air containing suspended viruses was passed through the Disinfectant Element containing electrolyzed water, after which the remaining airborne viruses were trapped and residual virus populations were evaluated in cell cultures by TCID50 assay. Testing organisation: Gunma Prefectural Institute of Public Health and Environmental Sciences.
Airborne Viruses 98% reduction. A Virus Washer with Disinfectant Element was operated in a 8-metre square laboratory, where virus was sprayed into the air for 30 minutes. Fifty minutes after the spraying was stopped, the viruses were collected and their infectious strength was measured with cultured cells. Testing organisation: The Kitasato Institute Medical Centre Hospital, Research Centre for Medical Environment.
Test method: Disinfectant Electrolytic Mist was released into a 1-cubic metre test chamber containing airborne viruses. The viruses were collected and their infectious strength was measured by TCID50 Assay. Testing organisation: The Kitasato Institute Medical Centre Hospital, Research Centre for Medical Environment.
故に、環境中からのインフルエンザ量減少効果は信用できそうである。
ただ、疑問なのは、ミスト程度の濃度でアレルゲン性を変えるほどの実力があるのだろうか?だとしたら、蛋白変成作用まであるとしたら逆に生体への影響が心配になる。
一応、念のため、Sanyoのサイトを調べると、
Disinfectant electrolytic mist was released into a 0.275-cubic metre test chamber containing pollen particles, and the reduction in the number of pollen particles was evaluated by the enzyme antibody method. Testing organisation: Osaka Medical College.これが根拠となっているようであるが・・・花粉を無害化とはちょっと違う話のような気がする・・・これって朝日の誤報?、それとも別にソースがあるだろうか?
by internalmedicine | 2008-02-20 11:21 | Quack