卒中患者で音楽リスニングは認知機能回復、気分障害予防に役立つ

”Reuter”などにも掲載されたみたいだから・・・日本の新聞記事になるかも・・・

Music listening enhances cognitive recovery and mood after middle cerebral artery stroke
Brain 2008 pdf

刺激を与え、環境を良くすることで卒中の回復が促進されるという動物研究が知られている。人の神経ダメージからの回復に関する回復室での豊富な音楽環境の有効性はあまり知られていない。
人において、音楽リスニングは、注意、semantic processing、記憶、運動機能、emotional processingに関する広範に広がる脳の両側ネットワークを活性化する。
健康な人や様々な臨床的患者群への情緒・認知機能も促進する。
音楽の神経リハビリテーションの潜在的役割はいまだシステミックに研究されていない。
単盲検、ランダム化、対照トライアルで、毎日音楽リスニングで、卒中後の認知機能や情緒改善するかどうかデザインされた研究である。
卒中急性回復期相で、左・右半球のMCA卒中60名をランダムにミュージック音楽リスニング群と言語リスニング群に分け、自己選択音楽とオーディオブックに分けて毎日聴いてもらう。
対照はいずれのリスニングも行わない。加えて、全員に標準治療・リハビリテーションは行われた。
広範な神経心理評価を全員に行い、広範な認知機能、気分状態、QOLアンケートを、卒中1週間め(基礎値)、3ヶ月後、6ヶ月後に行った。54名の患者が研究を完遂。

言語記憶属性での改善、焦点注意力(focused attention)の改善が音楽リスニング群で、言語リスニング、対照群にくらべ優れていた。
音楽群ではまた、うつが少なく、混乱した気分が対照群より少なかった。

これらの所見は、卒中発症初期の音楽聴取が認知機能回復に役立ち、気分障害予防に役立つことが示された初めての論文となる。

論文では、neuralmechanismsを考察している。



機能的評価
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意外にオーディオブックの成績が悪いのが気になる


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気分・情緒面の改善を考えれば、やはり楽しむことが大事なようで、spatial-temporal ability、注意力、言語流暢性、創造性など健常者でもパフォーマンス改善するとのこと
脳のイメージ研究では、交響音楽リスニングが、注意力、ワーキングメモリー、意味論的・統語的プロセッシング、イメージなどから構成されるためより良好であろうと書かれている。



Review Articles
Music and the brain: disorders of musical listening
Brain 2006 129(10):2533-2553;

The power of music
Brain 2006 129(10):2528-253


iPod shuffleも5千円台になったことだし、随分コストパフォーマンスの良い方法かもしれない。

by internalmedicine | 2008-02-20 16:32 | 動脈硬化/循環器  

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