外傷患者に対する早期昇圧剤は死亡率を増加させる
2008年 02月 23日
Journal Watch誌に取り上げられているテーマ
大規模前向きコホートにより早期の昇圧剤治療は未使用に比べ約2倍死亡率を増やす
ただ、昇圧剤使用とcrystalloidの両・使用率は対照化されていないためさらに研究が必要。
Sperry JL et al. Early use of vasopressors after injury: Caution before constriction. J Trauma 2008 Jan; 64:9.
16-90歳外傷、受傷12時間以内
収縮血圧<90mmHg
ED受診
base欠乏≧6 mEq/L
脳以外の外傷(Abbreviated Injury Scale score ≥2~
昇圧剤治療(Levophed, phenylephrine, dopamine, or vasopressin)
早期積極的クリスタロイド蘇生 (≥16 L within 12 hours post-injury)
921名の患者の内、総死亡率は12%、平均Injury Severity Scaleは31
昇圧剤の受傷後12時間以内使用は死亡リスク増加 HR(ハザード比) 1.81
24時間以内での昇圧剤使用はHR 2.15
12時間以内の積極的な早期クリスタロイド蘇生は、非使用にくらべて死亡率減少 HR 0.59
早期クリスタロイド蘇生による影響として、55歳以下と55歳超での比較では有意な差が認められた (HR, 0.54)
by internalmedicine | 2008-02-23 10:06 | 医学