体脂肪とhot flashの関係はホルモンじゃなく、エネルギー代謝で説明すべき

hot flashなどのいわゆる"自律神経症状”、血管運動性(vasomotor)の症状が太った人でそれが顕在化している現象は脂肪組織のホルモン作用で説明されていた。

thermoregulatoryモデルの方が以下の体脂肪とhot flashの関係の報告をみれば確からしい。すなわち、脂肪組織は他の組織に比べて特に影響が大きく、heat dissipation(エネルギー消費)を阻害するのである。

Thurston RC et al. Adiposity and reporting of vasomotor symptoms among midlife women: The Study of Women’s Health Across the Nation.
Am J Epidemiol 2008 Jan 1; 167:78.
adiposityは、アンドロジェンからエストロジェンへの変換が脂肪組織にて行われるため、閉経期のvasomotor symptom減少と関連しているという仮説が長く語られてきた。
しかし、最近のthermoregulatory modelにて脂肪組織量の増加がvasomotor symptomeの尤度増加と関係しているということが判明した。
閉経後にかかる女性の他施設地域ベースの観察研究であるStudy of Women's Health Across the Nationにて、47-59歳の1776名の女性(子宮intact)で解析

vasomoter symptom(hot flash、夜汗)、血中FSH、エストラジオール、性ホルモン結合グロブリン補正エストラジオール(遊離エストラジオール指数)を検討

年齢・サイト補正モデルで、体脂肪比率が高いことととvasomotor symptomeのオッズ比は相関(%脂肪率増加変異標準化あたり オッズ比 1.27 95%CI 1.14-11.42)

完全補正モデルでもその相関は維持し、性ホルモンモデルでもその相関は減少せず

by internalmedicine | 2008-02-23 10:38 | 内科全般  

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