ためしてがってん:CKD
2008年 02月 27日
CKDがstrokeなどのCVリスクであることは以前触れた(eGFRと微量アルブミンのcross-classification 2007-07-17 08:15 )が、このことだったんだろうか?
このジャーナルのサイテーションマップをみると、以下の2つの論文が目立つ
1)Kidney Function Is Related to Cerebral Small Vessel Disease
(Stroke. 2008;39:55.)
2)Decreased Glomerular Filtration Rate Is a Risk Factor for Hemorrhagic But Not for Ischemic Stroke: The Rotterdam Study
Stroke, December 1, 2007; 38(12): 3127 - 3132.
昨年はCKDの年で啓発しなければならなかったのに、メタボとやらに懸命で、厚労省怠けていたとように思う
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Primary care-based disease management of chronic kidney disease (CKD), based on estimated glomerular filtration rate (eGFR) reporting, improves patient outcomes
Nephrology Dialysis Transplantation Vol.23(2) 549-55
eGFRは、慢性疾患マネージメントはCKD患者の同定、マネージメントに関して重要である。心血管リスク要因の改善と腎機能減少低下は有意に健康ベネフィットがあり、結果的に医療経済的にコストセービングになる。
実地医家としては、PROGRESSサブスタディーの結果が非常に有益だと思うのだが、
Chronic Kidney Disease, Cardiovascular Events, and the Effects of Perindopril-Based Blood Pressure Lowering: Data from the PROGRESS Study
J Am Soc Nephrol 18: 2766-2772, 2007
Perindopril Protection Against Recurrent Stroke Study (PROGRESS)
* PROGRESSはランダム化プラセボ対照トライアルで、CVD既往のある患者に対してperindoprilベースの治療において標準治療対照に比べ、全原因死亡率を減少させることが判明
他のエビデンスでも卒中リスクは血圧120 mm Hg未満に減らすことでCKD患者で卒中リスクが高くなることが示唆されていた。
CKD+CV疾患のある患者でのPROGRESSデータ解析では、血圧降下はサブグループにおける卒中リスクを増加させなかったことが示された。
* CKD患者で140 mmHg未満の患者では卒中リスクはベースラインの血圧が高いほど卒中減少効果が示された。
CKDを有す患者ではCVDの高いリスク状態であるため、血圧降下によるベネフィットがさらに見いだされ、標準治療継続より卒中がかなり少なくなる。
by internalmedicine | 2008-02-27 20:53 | 動脈硬化/循環器