足湯とレジオネラ

足湯でレジオネラ菌に感染 マスクなしで清掃、鹿児島
 鹿児島県内の足湯を清掃していた同県の50代の男性が昨年、レジオネラ菌に感染し
、肺炎にかかって入院していたことが県環境保健センターの調べで29日、分かった。
国立感染症研究所によると、足湯でのレジオネラ菌の感染例は全国初という。
 同センターによると、男性は昨年8月22日、ボランティアで足湯の清掃に参加し同
30日に発熱、9月4日、レジオネラ菌による肺炎と診断された。既に回復している。
 マスクをせずに浴槽のぬめりを高圧洗浄器で掃除した際に、レジオネラ菌を含んだ水
滴を吸い込み感染したとみられる。浴槽水からは、レジオネラ菌が検出された。
 同センターは「足湯につかっていて感染することはないが、実態を調査し、管理や清
掃方法の基準を考えていきたい」としている。[共同通信]


通常足湯はエアロゾルが発生するとは思えないのだが・・・付着した水滴がエアロゾル化したのか?・・・この感染過程に関して興味をもった。足湯ってのは管理が緩いのでそのランニングコストの低さとアピール具合に観光関連者が注目して導入されたと想像できる。今後は管理コスト増加を考えれば・・・導入したところがどう処理するかが興味あるところである。

観光施設や道の駅とか・・・発想のバーデンの狭い人達がいっぱいのようで、どこでも似たような土産物や施設が増殖している。足湯や温泉施設も・・・


現在のレジオネラの管理基準は
              ↓
Q 検査でレジオネラが検出された場合はどのような対応が必要ですか?
A 「新版・レジオネラ症防止指針」では、水質検査でレジオネラが検出された場合、エアロゾルを直接吸入する可能性の大きさによって、次のような対応が示されている。
(1)エアロゾルを直接吸入する可能性が低い場合
100CFU/100mL以上検出された場合は直ちに清掃、消毒等の対策を行い、対策実施後に検出限界以下(10CFU/100mL未満)であることを確認する。
(2)エアロゾルを直接吸入する可能性が高い場合
目標値を10CFU/100mL未満とする。レジオネラが検出された場合は直ちに清掃、消毒等の対策を行い、対策実施後に検出限界以下(10CFU/100mL未満)であることを確認する。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/topics/legionel/LQA4j.html





Legionellaceae family(レジオネラ属菌)は64のserotgroupからなる42超の種類からなり、90%までの原因はL pneumophilaで、次に多いのがLegionella micdadei (Pittsburgh pneumonia agentという別名)、 Legionella bozemanii、 Legionella dumoffii、Legionella longbeachaeといったところが原因となる。,ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌で、serogroup 1、4、6からなる15のserogroupがヒトの疾患を生じさせる(。そのうちヒトへの感染が報告されているのは19 菌種という記載も別にはある)。serogroup 1がL pneumoniaeの80%まで関係すると考えられている。レジオネラはアメーバの内部で増殖可能であり、偏性もしくは通性細胞内寄生性であり、水が環境のリザーバとなる。Acanthamoeba(鈎頭虫門) や Hartmannella 類などの原虫類に感染し増殖する。これらの原虫は自然・人工的水環境で成育する。アメーバ内のレジオネラはリゾチーム経路を避け、ファゴソーム内で増殖しうる。(eMedicine



こういうのが試験のやまだったりする→
本菌が人工培地上で発育するためにはL-システインと鉄化合物が必須栄養素となる点である。したがってこれらの栄養素が含まれていない血液寒天培地などには発育できないので,レジオネラ用特殊培地を用いて培養を行わなくてはならない。

抗原試験が行われるが、尿中得意抗原EIA「ミツビシ」ではL. pneumophila血清群1以外も可能だが、Binaxのものは血清群1のみなので注意が必要である(pdf)

臨床上重要なことが書かれている
(病状の)進行が早く高度な低酸素血症を伴う重篤な肺炎像を示す場合,明らかな肺炎像がありながら細菌検査においてグラム染色や一般培養検査で起因菌が検出されない場合,b-ラクタム系抗菌薬やアミノ配糖体系抗菌薬が無効である場合,生化学検査において炎症マーカーとともLDH,AST,CPK などが高値を示した場合にはレジオネラ症の可能性を考慮して積極的に尿中抗原検査を実施するのが望ましい。


PCRや尿中抗原で陰性例にて抗体検査MPAT(マイクロプレート凝集法)は、早期診断にはむかないが、L. pneumophila血清群1以外においてその意義がある。



レジオネラ肺炎の40 から50%がLegionella pneumophila 血清型1による感染症ですので、尿中抗原検査で診断できるのはレジオネラ肺炎の約半分ということになります。したがって、臨床的にレジオネラ肺炎を疑っている場合には、培養検査、血清抗体価測定、遺伝子診断などをできるだけ組み合わせて実施することが必要となります。もう1つの注意点は、肺炎球菌の尿中抗原と同様に、レジオネラ肺炎患者における尿中抗原の排出も急性期だけでなく肺炎の治癒期、すなわち発症後2~4 週目においても陽性を示すことです。(pdf




Legionella longbeachaeという種類の、ガーデニングと関係して生じた報告(JAMA. 2000;284:1510.)があり、ガーデニング業者だけでなく、鉢植用の土(potting soil)でも生じた。
 ↓
当方、鉢植えによる果実栽培が盛んな地域であり、職歴聴取の重要性を感じる次第である。


入浴施設変形版がちまたにあふれているが、サウナ入浴後5日目に肺炎で入院例(Legionnaire's disease and saunas. Lancet. 351(9096):114.)、日本の大規模入浴施設での感染(Internal Medicine Vol.42 , No.9(2003)pp.806-811)など注意が必要である。

突っ込みどころ満載の検査案内だが・・・>
岩盤浴とは湿度を70~80%程度に設定された室内で、室温・床温が40℃前後の岩盤に横たわり、岩盤から放出される遠赤外線やマイナスイオンの温熱を受けることによって、体に負担をかけずに発汗作用が得られ、リラックス効果、血行促進、新陳代謝促進などの効果があると言われています。(http://www.falco-life.co.jp/pdf/legionel02.pdf
・・・“岩盤浴”なるものがレジオネラの公的繁殖条件を満たしていることは分かった。

by internalmedicine | 2008-03-01 08:16 | 感染症  

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