アロマテラビー:蒸留水に比べても疼痛・免疫・ストレスに効果無し
2008年 03月 08日
Olfactory influences on mood and autonomic, endocrine, and immune function
Psychoneuroendocrinology Volume 33, Issue 3, April 2008, Pages 328-339
アロマテラピー人口の多さにかかわらず、有効性データは乏しく、そのメカニズムも議論の対象である。
リラックス目的のにおい(ラベンダー)、刺激性のにおい(レモン)、無臭対照(水)による心理的、自律神経、内分泌、免疫系への影響をみるためのランダム対照化トライアル試験で、内容はストレッサー(寒冷ストレッサー)前後比較
56名の健康男女を3回に分けて施行
期待効果評価のため、”盲目化”のため、においを感じるだろうというにおいに関しては何の情報をも与えずランダム化し;“特別な”対象者にはセッションの間になにが臭うか、何に変わるかを説明;におうだろう;検査者は盲目化
自己報告、気分測定の結果、レモン油は水、ラベンダーに比べ、積極的気分を明らかに増加するエビデンスがもたらされた。それは、アロマテラビーへの期待や使用経験に関連がなかった。
さらに、寒冷ストレッサー後のノルエピネフリン値は、水・ラベンダーに比べ、レモンの臭いを嗅いだ被験者で増加し続けている。
カンジダDTH反応はレモン・ラベンダーより水吸入の方が大きい
においは、IL-6、IL-10産生、唾液コーチゾル、心拍、血圧、テープ剥離後の皮膚バリア回復、寒冷ストレッサー後の痛みレーティングに影響を与えず。
臭いのブラインド化ってかなり難しいと思うのだが、よくやるなぁ・・・と関心してしまう
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・essential oilのアロマテラピー、不安を改善せず.(ACP Effective Clinical Practice ,jul/Aug. 2000)
・ラベンダー、クラリセージ、ローズによるアロマテラピーは月経クランプの重症度低下に有効(The Journal of Alternative and Complementary Medicine. July 1, 2006, 12(6): 535-541.)
・アロマテラピー・Essential Oilのエビデンスレベル(NCI)
・・・結局、効果に関して、否定的報告が多い。暗示効果の方がつよいのだろう。
実体験からして、日本人に対してお香とか、線香のにおいとかで実験したら・・・興味深いと思う。
「アロマテラピーの仕組み」といって、さも科学的かのごとく説明される様子をテレビなどでみかけるが・・・よく言うわ!・・・ってのが多いので一度調べてお香と思っていた。
by internalmedicine | 2008-03-08 10:25 | 医学