体重維持に月毎個別面談・ウェブベース戦略がある程度有効

官僚ごり押し施策の特定検診がいよいよ4月から始まる(日医ホーム>地域保健>特定健診・特定保健指導)。
“メタボリックシンドローム”という詐欺的病名より体重・過体重対策とすれば納得できる部分もあっただろうに・・・

体重減少って、動機づけがあれば、最初は比較的簡単に成功する。
だが、その長期間維持は難しいってのが実感。

この対策として、NHLBI研究の一環として、個別面談とウェブベース戦略に関してある程度の知見が報告された。

Comparison of Strategies for Sustaining Weight Loss
The Weight Loss Maintenance Randomized Controlled Trial
JAMA. 2008;299(10):1139-1148.
【デザイン・セッティング・参加者】1032過体重・肥満成人2相トライアル (アフリカ系アメリカ人 38%、女性 63%) で、高血圧、脂質異常、両者を有する者で、6ヶ月間の少なくとも4Kg体重減少(第1相)した対象者にして、ランダムに第2相体重減少維持療法を割り当てた(第2相)
4つの学術センターでの参加者で2003年8月~2004年6月までで、ランダム化は2004年2月から12月
2007年6月データ収集完了

【介入】 第1相体重減少プログラム後、30ヶ月次のグループのランダム化
・月ごとの個人的面談
・無制限のinteractive technology–based intervention
・自己管理に任せる方法

【主要アウトカム】 Changes in weight from randomization.

【結果】 平均エントリー体重は96.7Kg
初期6ヶ月プログラムで、平均体重減少8.5Kg

ランダム後体重再増加を生じた

個人面談群 (4.0 kg) は自己管理群(5.5 kg)に比べて体重増加は少ない(平均30ヶ月後差異, –1.5 kg; 95%信頼区間l [CI], –2.4 ~ –0.6 kg; P = .001

30ヶ月後、体重再増加はinteractive technology-based群(5.2kg)と自己管理群(5.5kg)で差がなかった(–0.3 kg; 95% CI, –1.2 to 0.6 kg; P = .51))

しかし、体重再増加は18ヶ月時点ではinteractive technology-based群が自己管理群より少なく (平均差異, –1.1 kg; 95% CI, –1.9 ~ –0.4 kg; P = .003)、24ヶ月時点でも少なかった(平均差異, –0.9 kg; 95% CI, –1.7 ~ –0.02 kg; P = .04)

30ヶ月後、自己管理群とinteractive technology-based群の差異は-1.2kg(95% CI -2.1~-0.3; P=.008)で有った。

影響に関して性別、人種、年齢、BMIサブグループにより有意な差異はない

包括的には、71%の研究参加者で体重そのものは減少のままであった。



昨今、月ごとの受診さえ拒む人が多くなったが・・・当初から長期処方というのは薬剤上の副作用からも危険である。そして、月ごとの生活指導というのがやはり重要ということが改めて実感できる報告であった。

by internalmedicine | 2008-03-12 08:34 | 動脈硬化/循環器  

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