手術病床のMRSAユニバーサルスクリーニング
2008年 03月 12日
MRSA保菌状態をおしえろとさわぐケアマネージャー&介護保険施設担当者をみるにつけ、アホか・・・と思うことが・・・こいつらに説教することができる?一つの論文発表
Harbarth S et al. Universal screening for methicillin-resistant Staphylococcus aureus at hospital admission and nosocomial infection in surgical patients. JAMA 2008 Mar 12; 299:1149.
全ての外科入院をスクリーニングすることは感染率を下げる上ではあまり意味をもたないというヨーロッパの研究。
院内MRSAの急増に直面したときにために専門家の一部はMRSAキャリアの患者入院をuniversal screeningとすべきと主張している。
スイスの大規模教育病院の8つの外科サービス単位での大規模前向きコホート交叉研究でこのuniversal screeningの有効性を評価した。
最初の9ヶ月間、新規MRSAキャリアの入院をすべて検討し、次の9ヶ月間を対照データとした。
研究期間中、MRSAキャリアは接触隔離、局所コロナイゼーション対策、MRSAを目的とする抗生剤プロトコールの修正を行った。
鼻孔、会陰、他の臨床的示唆部位のぬぐいサンプルの1000超の迅速PCRベース解析
515のMRSAキャリアをスクリーンし、多くはすでにコロナイズされていると判明しているものではなかった。しかし、院内感染MRSA感染率の包括的相違もなく、個々の手術サービス単位や感染部位でも差がみられなかった。
Screening identified 515 MRSA carriers; most were not previously known to be colonized. However, screening made no difference in overall nosocomial MRSA infection rates nor in rates in any individual surgical service or in sites of infection.
スクリーニング期間の獲得性院内MRSA感染の93名のうち半数超で、入院時MRSAスクリーンは陰性であった。
JW誌コメント
1万患者×日数の入院につき0.36の、MRSA院内感染率であり、ヨーロッパ・USの多くよりかなり低い感染率であり、MRSA流行のまっただ中の病院では適用できない話。MRSAはプレス内のgerm-of-the-momentとして、US内では10%未満の院内感染原因であり、単一の菌種より対象を広くした感染コントロールを行うべきである。
by internalmedicine | 2008-03-12 10:34 | 感染症