Paraoxonase 1 (PON1) 遺伝子多様性と心血管・死亡リスク
2008年 03月 19日
パラオキソナーゼ1(PON1)は哺乳動物の高比重リポ蛋白質(HDL)に分布する酵素で, リポ蛋白質を酸化から防御する機能を持つ(引用)。エステラーゼの一つで、肝臓で合成され血中では高比重リポ蛋白(HDL)粒子上にアポA-Iと結合して存在する。粥状硬化性動脈硬化は、血管壁内で酸化を受けた低比重リポ蛋白(LDL)がマクロファージに取り込まれることが発症進展機序で重要である。PON1はLDLの酸化を阻害し、動脈硬化の進展を抑制している(引用)。
血中paraoxonaseは high-density lipoprotein (HDL)-関連酵素で、PON1 geneによりencodeされており、主に肝臓で発現(bin Ali et al., 2003Go)。酸化ストレスはインスリン活性を障害 (Am J Physiol 272:E935–E940)し、動脈硬化に寄与する (Navab et al., 2004Go)。
インスリン抵抗性、心血管リスク増加と関連することが報告されていた。
ヒトでの実地的報告
Paraoxonase 1 (PON1) は、抗酸化、心保護特性を有すると報告。Bhattacharyyaらは、PON1 genotypeと酸化ストレスの機能的活性とCVDリスクを検討したところ、酸化ストレスのマーカー増加とCVDリスク増加、心血管イベントリスクと副事象増加と関係
Relationship of Paraoxonase 1 (PON1) Gene Polymorphisms and Functional
Activity With Systemic Oxidative Stress and Cardiovascular Risk
JAMA. 2008;299(11):1265-1276.
Paraoxonase 1 (PON1)の抗酸化と心臓保護的作用の報告がある。PON1 genotypeと酸化ストレスと心血管疾患リスクに関してヒトで報告がシステミックにされてなかった。
ヒトの酸化ストレスと、CVDリスクとPON1活性の関わる遺伝子・生化学的特性を調査
高PON1活性を生じる、機能的多形性(Q192R)とCVD頻度、後続する主要心血管イベント(心筋梗塞、卒中、死亡)を診断的冠動脈造影を行った1399の連続患者で検討
PON1 genotypeは有意に、PON1活性減少・酸化ストレス系統的指標の量依存的相関を示す (QQ192 > QR192 > RR192)
PON1 RR192、QR192 genotypeを有する対象者に比べ、QQ192 genotypeは全原因死亡y (43/681 死亡 [6.75%] RR192 と QR192 と 62/584において 死亡 [11.1%] in QQ192; 補正ハザード比, 2.05; 95% 信頼区間 [CI], 1.32-3.18) 、主要心血管イベント (88/681 イベント [13.6%] RR192 と QR192 と 102/584 イベント [18.0%] QQ192において; 補正ハザード比, 1.48; 95% CI, 1.09-2.03; P = .01).
を増加。
PON1 RR192、QR192 genotypeに比べ、QQ192 genotypeは全原因死亡増加 (43/681 死亡 [6.75%] RR192 と QR192 and 62/584 死亡 [11.1%] QQ192; 補正ハザード比, 2.05; 95% 信頼区間[CI], 1.32-3.18) 、主要心血管イベント増加 (88/681 イベント [13.6%] RR192 と QR192 と 102/584 イベント [18.0%] QQ192; 補正ハザード比, 1.48; 95% CI, 1.09-2.03; P = .01)
主要副事象心血管イベント頻度は有意にPON1活性最高4分位(paraoxonase 23/315 [7.3%]) 、 arylesterase 235/324 [7.7%] ) は最低4分位比較(78/311 [25.1%] and 75/319 [23.5%]; P < .001)で有意に減少
PON1活性最高・最小4分位の主要心血管副事象イベント補正ハザード比はparaoxonaseで3.4 (95% CI, 2.1-5.5; P < .001) 、arylesteraseで 2.9 (95% CI, 1.8-4.7; P < .001) で、多変量解析でも維持
2004年、X線crystallographyの技術で構造決定(Nature Structural and Molecular Biology)にて、この酵素が抗神経障害・Gucher病の治療に役立つ可能性が示唆されていた。HDLと酸化ストレス、CVリスクなど・・・解釈にて興味深いファクターでもある。
by internalmedicine | 2008-03-19 08:53 | 動脈硬化/循環器
