cinetobacter baumannii感染
2008年 03月 21日
NEJMの解説記事
N Engl J Med. 358(12) 1271-1281 2008 20 Mar
-negative coccobacillus
300超のUSの病院で、カルバペネム耐性遺伝子種としてAcinetobacter baumaniiは、1995年9%から2003年40%と増加している。
A. baumanniiはキノロン抵抗性をgyrAとparCの変異により形成し、アミノグリコシド関与酵素発現により抵抗性を形成する。
【臨床症状】Acinetobacter感染はベンチレーター関連感染、血行感染の形が最も多く、血管カテーテル、気道がacinetbacter菌血症の最も多い供給源である。他のグラム陰性菌の関与とともに死亡率が高い(28-32%)
1995-1998年の49米国病院血行感染患者10,852名の試料にて、acinetobacter感染比率1.5%であった。polymicrobial比率は36%
最も共存する場所は皮膚細菌叢 coagulase-negative staphylococci や enterococciで、皮膚・環境菌種とのコンタミネーションを示唆する。多剤耐性A. baumannii菌血症の48名の研究で、重症度マッチ比較では薬剤抵抗21.8%が死亡に寄与し、入院コスト、ICU、入院期間延長に寄与した報告がある。
【治療】感受性がある場合は広域スペクトラムのセファロスポリン、βラクタムーβラクタマーゼ阻害剤配合剤、カルバペネム、アミノグリコシド単独・併用が用いられる・・・感受性低下が報告されているが・・・
・多剤抵抗菌種による感染に対して薬剤選択は非常に限られる
・最も活性の有る薬剤はpolymixin類で、polymyxin B と polymyxin E (colistin)
ポリミキシンは最近の細胞膜を破壊するカチオン系薬剤で、原形質の内容漏出をもたらす。
臨床医は、1960年代、70年代にpolymixinを、その腎毒性により放棄した
多剤抵抗性グラム陰性菌の出現はポリミキシン復活をもたらした、投与量を減らし、ことなる薬剤投与方法、ICUモニタリングの発達により、より毒性が少なくなった。
新しいglycylcycline系抗生剤、Tigecyclineが、多剤抵抗性A. baumanniiに対してin vitroで有効性を示す、もう一つの薬剤である。しかし、耐性かが進んでいるという報告があり、実際に流行事例において無効性も報告されている。
by internalmedicine | 2008-03-21 09:41 | 感染症