パーキンソン病も、嗅覚障害にて早期発見?
2008年 03月 24日
・嗅覚と認知機能の関係は以前触れた(The Lancet 2000; 355:84-85)・嗅覚機能検査方法は?
高齢者の臭い同定能力とMCI 2007/07/04
・University of Pennsylvania Smell Identification Test (UPSIT)
・Brief Smell Identification Test[B-SIT]
・10-Item Smell Identification Scale( pdf )
・嗅覚とパーキンソンとの関連の病態生理は?
ひとつの解釈はパーキンソン病は4年前始まっており、嗅覚閾値が最初減弱し、他の症状が出現するという可能性。ひとつは、嗅覚機能が低いほどパーキンソン発症までの時間が短いことからその解釈を支持する。PDにおける嗅覚障害の病態生理の理解は十分でないが、神経の減少、レビー小体の出現、神経細胞内の蛋白の異常ゴミ集積がPDのマーカーとなる要因ではないかと・・・
"Association of olfactory dysfunction with risk for future Parkinson's disease"
Ross GW, et al Ann Neurol 2008; 63: 167-173.
PD in Honolulu-Asia Aging Study コホート
方法:コホートの1991-1996年の、2267名の男性(71-95歳)
PD発症頻度8年まで調査
フォローアップ注PD診断35名(24.6/1万人年あたり)
診断時平均年齢 82.9 +/- 3.8 (range, 76-93) 歳
診断までの平均期間 4.0 +/- 1.9 (range, 1-8) 年
フォローアップ4年までに、年齢補正PDは最小4分位54.5、26.6、8.2、8.4と分位毎に減少する(p < 0.001 for trend)
年齢・他変数補正にて、最小4分位vs他のトップ2つの4分位比較オッズ比は5.2(95%CI 1.5-25.6)
この相関は4年フォローアップを超えると明確でなくなった。
“チューリッヒ嗅覚スクリーニング・キット”は?
by internalmedicine | 2008-03-24 11:27 | 運動系