冠動脈石灰化スコアと冠動脈イベント:民族・人種的差異は少ない


こういう研究でもジャパンパッシングですなぁ・・・(つくづく)・・・この場合は、まぁおそらく米国での民族頻度を表しており、それでもしかたないと私は思うのだが・・・ちょっとさびしいものを感じる

結論から言えば、
Agatsonスコアによる冠動脈カルシウムスコアは、標準リスクに付加的価値をもたらす。しかし、人種民族間の大きな差異はないと考えられる



心血管疾患無しの男女で、民族群別に冠動脈カルシウムscanを行い、その後平均3.8年フォローしたもの。

6722名の男女、白人38.6%、黒人 27.6%、ヒスパニック 21.9%、中国 11.9%で検討


Coronary Calcium as a Predictor of Coronary Events in Four Racial or Ethnic Groups
N Engl J Med. Vol.358:1336-1345 Mar 2008
162の冠動脈イベント、うち、89の主要イベント(心筋梗塞、冠動脈疾患死亡)
冠動脈石灰化なしの対象者比較で、補正冠動脈イベントリスクは、スコア 101-300までで 7.73 300以上で9.67(比較 P<0.001)
人種・民族群内で、カルシウムスコア倍化にて、主要冠動脈イベントは15-35%増加し、冠動脈イベントリスクは18-39%増加する
AUROCは標準リスク要因にカルシウムスコアにより増加する。



スコア化の原著(J Am Coll Cardiolo, 1990;15:827-832)



参考:Agatsonスコア:冠動脈のカルシウムスコアの測定(第70回日本循環器学会総会セミナー pdf )(誤植があっておもしろい)

by internalmedicine | 2008-03-27 09:05 | 動脈硬化/循環器

 

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