1型糖尿病:微量アルブミンとマクロアルブミンへの進展

尿中微量アルブミン、マクロアルブミンともとにかくHbA1cを下げること・・・やはりそれが主眼であるべきなようだ。それと発症年齢より罹病期間・・・いづれも高血糖状態にさらされている積算量が重要なのだろう。


Risk of microalbuminuria and progression to macroalbuminuria in a cohort with childhood onset type 1 diabetes: prospective observational study
BMJ 2008;336:697-701
尿中微量アルブミン累積頻度は糖尿病10年後25.7%(95%信頼区間 21.3%-30.1%)で、19年後50.7%(40.5%-60.9%)

微量アルブミン補正予後因子はHbA1c濃度がただ一つ
(ハザード比 1%あたり  HbA1c 1.39, 1.27 ー 1.52)

血圧、喫煙歴は今回の検討では予後因子とはならなかった。

尿中微量アルブミンは48%の患者で持続

微量アルブミンからマクロアルブミンへの累積進展頻度は13.9%(12.9%ー14.9%)で、平均年齢は18.5(5.8)歳で出現

サンプルサイズは小さいがマクロアルブミンの修正予後因子はHbA1c値と繰り返す尿中微量アルブミンである (ハザード比はぞれぞれ 1.42 (1.22 ー 1.78)、 27.72 (7.99 ー 96.12)、 と 8.76 (2.44 ー 31.44))


【微量アルブミン累積頻度】


Kaplan-Meier survival curve showing cumulative prevalence of development of microalbuminuria


マクロアルブミン出現
糖尿病罹病期間11.4(SD3.3)年 <vs 対照 9.8(3.8)年>
年齢 19.9(5.1)歳 <vs 18.6(4.6)歳>
微量アルブミン前平均HbA1c 10.8(2.0)%<vs 9.7(1.5)>
微量アルブミン後平均HbA1c 11.5(2.1)%<vs 9.8(1.6)>

図表参照

by internalmedicine | 2008-03-28 09:07 | 糖尿病・肥満  

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