心臓外科待機でなくてもPCI成績変わらない?(on-site vs off-site比較) in USA

米国の医療制度と日本のそれはかなり異なるので同一に評価してはならない。
マンパワーの問題からも(根本は金のかけ方の問題だが・・・)受診時から1時間半程度で冠動脈潅流終了というのはちょっと日本では考えられない。


PCIについて ・・・http://www.acc.org/media/acc_scientific_session_08/press/saturday/8am_SCAI_Kutcher.pdf

on-siteで心臓外科バックアップにて、そのプログラムが良く組織化され、高度技倆と、質をコミットされた医学センターで安全性が保たれ、高度成功性が担保される。

緊急心臓外科患者搬送PCIプログラム比較の大規模臨床研究で、 SCAI Annual Scientific Sessions in Partnership with ACC i2 Summit (SCAI-ACCi2) というミーティングで、ACCのパートナーSCAIスポンサー企画

この研究所見は、“boutique" angioplastyの保証ととらえられてはならないとWinston-Salem(Wake Forest University Health Sciences, Winston-Salem,)

off-site surgical back-upでのPCI施行は議論のあるところで、臨床ガイドラインでは、心臓発作を経験した患者への施行、いわゆる- primary PCI-は許容し、緊急性が少ない待機的PCIに対しては行わないよう助言している。
しかし、primary PCIを行う医療センターは、経済的に成り立つために、また技倆を維持するため、待機的PCIも含み混合して行う必要性もある。

緊急バイパス手術は稀で・・・PCIの0.3%ほどの程度だが、死亡率は高く、13%程度
NCDR CathPCI Registryのデータにて、off-site:61医療施設、9029名の治療患者とon-site:404医療センター299132名の治療患者を研究

手術バックアップoff-siteは小規模で、200ベッド未満の医療センターが半数超で、PCI施行数が少ない。
off-siteセンターでは、PCI施行数年間200超は30%で、年間primary PCI 36超はわずか43%で、on-site センターの94%、80%と比べると有意な差がある (p<0.0001)。
加えて、off-site病院では高度リスク患者が多い:高リスク患者はPCI時の発作のある場合でoff-site 41%、on-site 29%s (p<0.0001)

off-site、on-siteとも施行成功率は同率(94 % for off-site centers vs. 93 % for on-site centers)、包括的合併症 (6.4 % vs. 6.3 %)、 緊急手術 (0.31 % vs. 0.37 %)、緊急手術死亡率 (13.64 % vs. 12.59 %)

リスク補正解析にて、on-site心臓外科手術病院は、より緊急バイパス手術施行回数が多い傾向にあるが、結局、包括的院内死亡率は2群に差がなかった (オッズ比, 1.08 for on-site vs. off-site centers, p=0.507)


2つの統計結果が加えられた
・off-site手術PCIセンターのPCI、1日24時間、週7日施行する準備ができている比率が92%
・到着からの血流回復までの時間中央値はoff-siteで1.4時間、on-siteで1.5時間



読売新聞をチラミしたところ、PCIの年間数が公表されていた。
読売新聞に良くある勘違い記事かなと思ったが、まぁ自重されている方だと思った
カテーテル・PCI比率やカテーテル・CABG比率まで出してもらえれば・・・などと・・・

by internalmedicine | 2008-03-31 09:48 | 動脈硬化/循環器  

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