女医が増えるのは良いことなのか?

Head to head: Are there too many female medical graduates?

"フェミニズム”の建前に隠れて、真っ向から議論されることの少ないテーマ

かなり意訳しているので、各人確認してほしい・・・

Yes(Brian McKinstry):BMJ 2008;336:748 (5 April), doi:10.1136/bmj.39505.491065.94
男性医師より女性医師が多くなり将来的な医療スタッフ問題が立ち上がるだろう

多くの国で女性比率が増加している。それどころか、今後男性医師の方が少数となる可能性がある。女性医師は、パートタイムを好み、通常業務に不釣り合いな育児休暇比率の増加。そして、労働年数が男性より少なく、60歳以前の引退希望が女性では多いことなどの影響がある。
イギリスでは実際一般開業医の時間数は女医で少ないという報告がある。これは世代問題ではないかという考察もあるが、実際には世代間というより性差間の影響の方が大きいととらえるべきである。
女性比率の増加は、教育、研究・開発に多大な影響を与えるだろう。
女性の研究者は、子供を有するもの同士の男女比較でも、18.3vs29.3ということで、研究生産性の低下が見いだされている。
女性の方が学部・大学院試験で、feminisationそのものが正当であるという判断が下されている場合もある。
女性の優れた特性、すなわち、患者中心のコミュニケーションに長けている特性はあるが、実際の診療時間に関して要求される総量に対してその供給量が少なくなる影響は深刻である。


 
No(Jane Dacre):BMJ 2008;336:749 (5 April), doi:10.1136/bmj.39505.566701.94
より柔軟性のあるキャリアパスを求めているのは女性だけではない。

同性の医者にかかることを好む患者もいる。
性別というグループ分けで、個々の多様性、才能・能力を無視して女性外来などという表層的で、軽薄な診療形態をごり押ししているのは一見滑稽でさえある。
ただ、女性の心理的特性である、ケアにおいてパートナーを活性化し、情緒的サポートを与え、心理的取り扱いになれている(Ann Intern Med 1985;102:520-8.
ただ、女性の方がより柔軟な勤務形態を好み、実質的な労働数としては目減りする。
この現象は英国でも顕著で、学術的な勤務状況で女性の比率の減少が目立つ。専門性の高い領域、責任比率の高い分野での女性比率も低い。 
出産・育児による影響が大きいのだろうと推定され、女性の指導的ポジションへの障壁に対する対策が必要。より柔軟性のあるキャリアパスが、結果的に医療労働者の質改善、指導力により医学・医療に寄与することとなるだろう。

by internalmedicine | 2008-04-04 09:38 | 医療一般  

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