アリピプラゾール(エビリファイ錠)のアルコール依存症への効果

統合失調症治療薬aripiprazoleは D2 受容体と5-HT 1A 受容体のパーシャルアゴニスト作用を有し、アルコールのrewarding effectに関係するドパミン受容体に関係するため、アルコール依存への治療法として期待できるそうだ。


このaripiprazoleは有意にsedative作用を有し、アルコール中等量での多幸感を減少させる作用があるらしい。


Kranzler, HR, et al "Effects of Aripiprazole on Subjective and Physiological Responses to Alcohol" Alcohol Clin Exp Res 2008; 32: 573-579.

18名の健康的飲酒者(9名男性:平均27.6歳)で、自己コントロール下で参加させ、研究前90日飲酒量が中等量であることを確認。ランダム化にて3群分類、無治療、aripiparzole 2.5mg、aripiprazole 10mgにて投与
男性では0.8g/kg、女性では0.7g/kg飲酒
心拍、血圧、static ataxia、主観的効果を評価

aripiprazole前処置は耐用性良好で、副作用としては倦怠感(10mgで14名、2.5mgで7名)。吐気は様々。他の副作用は傾眠、睡眠困難。倦怠感・吐気とも無治療群では見られていない。

中等度の身体的影響有り、心拍増加、特に男性、非白人群度多い

血圧への影響は注意すべきで、女性での収縮期、白人での拡張期血圧増加が目立った。
安静時失調への影響はなかった。

主観的効果に関しては、高用量でのアルコールの飲酒促進効果が減少
用量依存的鎮静効果が見られた
たとえば、薬剤増加毎に、1.04単位の鎮静効果がみられた (SE=0.42)

小程度だが、薬剤はアルコールの多幸的効果を減弱し、10mg投与量で、非投与・2.5mg投与より多幸的効果減弱した。スコアで0.40単位(SE=0.16)の減少


アリピプラゾール(エビリファイ錠)のこの使用法は保険適用外で、確立したものではないのでご配慮願いたい

by internalmedicine | 2008-04-04 14:43 | 精神・認知  

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