糖尿病治療に関して女医の方が成績がよい

女性医師の方が2型糖尿病患者の医療の質が良く、予後リスク管理に長けている。

女医が増えるのは良いことなのか? 2008-04-04では、やや女性医師の就労上の特性の問題点が記載された。だが、女性医師の方が一般的にまじめで細かな管理が可能に思え、慢性疾患の診療・指導にはむいているのではないかという印象をもっていた。

それが実際に証明された形?

Physician gender is associated with the quality of type 2 diabetes care
Journal of Internal Medicine online subscription doi:10.1111/j.1365-2796.2008.01967.x

【目的】患者の性別は医療の質に影響を与えるが、医師側の性別による影響はまだ解明されていない。医師の性別が医療の質に同影響をあたえるか、2型糖尿病で検討

【デザイン】51053名の外来患者の横断研究(48.6% 男性)、3096名の診療所医師 (66.3% 男性; 74.0% GP, 21.8%内科医 4.2% 糖尿病専門)
アウトカム測定は、診療過程、中間アウトカム、医薬管理
ケアの質は、ADAガイドラインに基づき行い、階層回帰モデルを用いて、case-mix biasを防止し、医師のレベルクラスタリングの補正を行った。
補正オッズ比は、年齢、性別、動脈硬化疾患の罹病期間・存在で補正

【結果】 女性医師の患者は女性が多く、より肥満、高齢であり、動脈効果疾患を多く持つ(34%総コホート)
女性医師の患者は糖(HbA1c < 6.5%; OR 1.14; 1.05–1.24, P = 0.002)、血清脂質 blood lipoproteins (LDL-C < 100 mg dL−1; OR 1.16; 1.06–1.27, P = 0.002)、血圧 (systolic values < 130 mmHg; OR 1.11; 1.02–1.22, P = 0.018)コントロール良好となる
一般的に、降圧剤治療を受けることが多く(OR 1.35; 1.24–1.46, P < 0.0001)、ACE阻害剤が特に多くなる(OR 1.17; 1.09–1.25, P < 0.0001)。
女子医師は血糖モニタリングは少なく(OR 0.83; 0.76–0.91, P < 0.0001) 、経口血糖降下剤処方が少ない (OR 0.88; 0.82–0.95, P = 0.001)。

by internalmedicine | 2008-04-09 14:25 | 動脈硬化/循環器  

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