自己免疫性膵炎:診断時CT所見と治療後CT所見

自己免疫性膵炎(Autoimmune Pancreatitis:AIP)は、膵実質が腫大し、病変内のMPDの狭窄と上流の膵管拡大が特徴という・・・結局膵癌との鑑別には何も言ってないような気がするが・・・

Autoimmune Pancreatitis: CT Patterns and Their Changes after Steroid Treatment
(Radiology 2008;247:435-443.)
膵実質は、14例(67%)で、巣性(focal)腫大、7例(33%)でびまん性(diffuse)腫大
AIPに侵されている膵実質は、19例(90%)で低吸収密度であり、2例(10%)で等吸収密度

門脈相で、18例(86%)で膵実質に造影剤貯留が見られ、3例(14%)でwashoutされていた。MPDは障害部位では可視化されず

治療後、AIP障害膵実質区域のサイズの減少がみられ (P < .05)
15/21(71%)では膵実質の正常領域の拡大がみられたが、6例 (29%)では低吸収rなままの例もみられた。

CTフォローアップ中、MPDは正常サイズに回復し、focal formの1/8で拡張のまま上流のMPDが存在



NEJMの記載
Autoimmune Pancreatitis
N Engl J Med Vo.355:2670-2676 Dec. 21, 2006
腹部CT上の典型例は、びまん性病変患者では、均一なCT密度のソーセージ様腫大であり、軽度造影され、低密度”hallo”の末梢周縁を有する所見を呈する。
小葉性(lobularity)がないことも普通
膵周囲脂肪は通常最小
長期間のAIPでは、膵尾部の障害がほぼ常に目立つ
局所的リンパ節腫大が軽度めだつ
巣性病変が膵頭部に多く見られ、典型的には低密度・等密度腫瘤として見られる。
さらに、このAIPの巣性病変の膵がんとの鑑別診断はCT画像だけでは困難
しかし、びまん性の膵管狭窄の所見は自己免疫性膵炎の診断的所見として価値が高い。
肺や、腎臓、大動脈周囲軟部組織の巣性病変も“炎症性偽腫瘍”と名付けられ、ステロイド治療で焼失する。
CTにてステロイドの反応があらわれ、膵腫大の消失、低密度のすい臓周囲縁“hallo”の消失などである。
膵臓、胆汁性狭窄が一部、もしくは、完全に改善することがある。
構造的変化はステロイド治療1-2週間で改善する可能性がある。


自己免疫性膵炎診断基準 (日本膵臓学会2002年
画像診断
1.膵の腫大
腹部US検査、腹部X線CT検査、腹部MRI検査などで膵のびまん性あるいは限局性の腫大を認める。
1)US: 腫大部は、低エコー像を示し、高エコースポットが散在する場合もある。
2)CT: 造影CTでは正常膵とほぼ同程度の造影効果を示すことが多い。
3)MRI:びまん性あるいは限局性の膵腫大を示す


2.膵管の狭細像
主膵管にびまん性,あるいは少なくとも主膵管長の約3分の1以上の範囲に狭細像を認める。
1)狭細像は、膵管径が通常より細くかつ不整像を伴っている像が少なくとも全膵管長の約3分の1以上のものとする。
2)膵管像は基本的にはERCP、その他に術中造影や標本造影などの直接膵管造影による膵管像が必要である。MRCPによる膵管像を診断に用いるのは現状では困難である。

by internalmedicine | 2008-04-28 14:22 | 消化器  

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