拡張期心不全または拡張不全(diastolic heart failure)のレビュー

拡張期心不全または拡張不全(diastolic heart failure)のレビュー

diastolic heart failure (DHF)—とか、正常駆出心不全( heart failure with normal ejection fraction (HFNEF))と認識されていた

拡張期心不全は、駆出率は保たれいるかどうかとか異常があるかどうかには無関係に、拡張期の進展性、充満、左室relaxationの異常を示唆する病態
DHFやHFNEFは、心不全症状があるが、駆出率が保たれていて、左室拡張期機能異常がある場合に用いられる言葉として使われる。

diagnosis of DHF(European Society of Cardiology, 1998
* signs and symptoms of CHF
* normal or mildly abnormal LV systolic function (LVEF ≥45%)
* evidence of abnormal LV relaxation, filling, diastolic distensibility, or diastolic stiffness




Vasan と Levyが、確定、疑診、可能性という3つのクライテリアにて修正(Circulation. 2000;101:2118.)

治療
・class I
・ガイドラインに従った収縮期・拡張期高血圧コントロール
・心房細動を有する事例では左室心拍をコントロール
・肺うっ血・末梢浮腫コントロールのための利尿剤

・class IIa
・有症状性もしくは心筋虚血を有する冠動脈疾患患者の冠動脈再建は拡張期への影響も判断して決めるべきである。

・class IIb
・心房細動患者への洞性リズムへの回復
・高血圧を有する患者でのベータ遮断剤、ACE阻害剤、ARB、CCB
・心不全の症状を最小化するジギタリス使用


REVIEW ARTICLE
Current Concepts in Diastolic Heart Failure
JAOA • Vol 108 • No 4 • April 2008 • 203-209


心機能指標の標準的計測法とその解説(日本超音波医学会用語・診断基準委員会(pdf
LV血液充満が始まると、早期に生じる房室圧較差によりE波を生じる、左室圧が高まり、左房圧が下がるとと僧帽弁の圧較差は消失する。それまで、早期ドップラー充満波の減衰が生じる。拡張期の左房収縮のあと、僧帽弁の流量は増加する(A波)。


E/A比を利用するが、減衰時間の縮小に影響されるため、左室stiffness増加と関係してE波の減衰時間が短くなる。E/A比だけで判断するのは困難




最近読んだ論文(e.g. 体重減少(カロリー制限/運動療法)心臓拡張機能改善効果:CRONies 2008-01-11)は、等容性拡張時間(IRT:isovolumic relaxation time)、septal E'(中隔の拡張早期速度:early diastolic velocity of septal wall)、stiffness(k)、longitudinal (septal annulus motion) stored elastic strain (xo')、peak force (k'xo')、peak stored strain energy (1/2k'xo'2)といった指標を目にする。

by internalmedicine | 2008-04-30 12:17 | 動脈硬化/循環器  

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