肥満の非手術治療

低インスリンダイエットなど過剰評価され、無責任にもテレビでごみ情報を垂れ流しているシーンをよく見聞きする。・・・ちょうどよいまとめだと思った。ただ、高タンパクダイエットへの批判が足りないのではないか?

食事に関しては低脂肪低カロリー食が基本だし、体重維持のためには80分程度の散歩というのはいままでの基準に比べてずいぶん要求が高いようだ。

Nonsurgical Management of Obesity in Adults
N Engl J Med Vol. 358(18)
ダイエット:

程度により
very low:< 800 kcal /日
low :800 ~ 1500 kcal /日
moderate :通常の食事より約 500 kcal減少


運動を変えずに、約500kcal/日未満の場合は1lb(0.45kg)/週減少と予測
極低カロリー食は、急激な体重減少が必要なときのみ用いられる。この場合は医学モニタリングが必要。
朝食摂取、食事性繊維分、食事変更(e.g. Slim-Fast)などの付加物も有効だが、ランダムトライアルでは食事変更のみが体重減少を促進した。
Low-Fat Diets
超低脂肪食は脂肪が15%を超えず、15%程度のタンパク、残りは炭水化物として、Lifestyle Heart Trialで、1年後に24lb(11kg)の体重減少を示し、5年後の冠動脈疾患発症を低下させた。

Low-Carbohydrate Diets
低炭水化物食(1日60g未満の炭水化物)が注目をあびており、Atkins やSouth Beach dietというものが有名、低脂肪食より有意に体重減少したが、12ヶ月後にはいづれも差がなくなった(N Engl J Med 2003;348:2082-2090.Ann Intern Med 2004;140:778-785.)。そして、低炭水化物食のほうが高中性脂肪患者での血糖値が低く、空腹時TG値、HDL高値をしめしたが、LDLコレステロール増加を示した。


Low-Glycemic-Index Diets
"glycemic index"は食後2時間での血糖増加値をもとにした指標だが、ランダム化研究では体重減少に影響を与えなかった(J Nutr 2005;135:2387-2391. 、Erratum, JAMA 2007;298:627)。ただ血中インスリン値は低下した。しかしこの程度の低下が臨床的アウトカムを改善するかどうか不明


High-Protein Diets
高タンパク食は通常脂肪量が多い。たんぱくは食欲を低下し、食事による発熱(thermogenesis)を増加させ、徐脂肪体重を温存し、エネルギー効率を下げる。ランダム化トライアルにてカロリー制限食の炭水化物をタンパク質置き換えてより体重減少がみられた(Am J Clin Nutr 2005;81:1298-1306.Int J Obes Relat Metab Disord 2004;28:1283-1290.)。


Specific Commercial Diets
・Atkins (carbohydrate restriction)
・Zone (40% carbohydrates, 30% fat, 30% protein)
・Weight Watchersなどの同様プログラム (calorie restriction)
・Ornish (fat restriction)


Physical Activity
カロリー制限なしに、身体運動増加だけでは体重減少は軽度
たとえば、1週間20マイル(32.2km)・8か月続けても2.9Kgの減少のみ(Arch Intern Med 2004;164:31-39.
カロリー制限なしの身体運動増加では腹部(内臓)脂肪組織の減少をもたらし、インスリン抵抗性を改善するという報告(Am J Clin Nutr 1999;70:346-352.
カロリー制限と組み合わせたとき、体組成(脂肪量vs徐脂肪体重)上好ましい変化をもたらす( Int J Obes Relat Metab Disord 1997;21:941-947.)。
抵抗運動は、特に体組成上のベネフィットをもたらす。
同様に、血中HDL増加、TG減少、血圧減少を食事制限と好気的的運動にて良好な変化をもたらす


Behavioral Modification:省略

Pharmacologic Therapy:省略

Maintenance of Weight Reduction
体重減少長期維持は困難で、多くのメカニズムが存在する
体重減少維持予測因子は、低脂肪食・体重頻回チェック、食事量チェック、身体活動性の高いことである。長期患者・指導者接触がなされ、1日約80分の早歩き(中等度強度身体運動)と35分ほどのジョギング(強化運動)で週2500kcal消費することで体重増加を防ぐことが示された(Am J Clin Nutr 1997;66:551-556.)。

by internalmedicine | 2008-05-01 16:49 | 動脈硬化/循環器  

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