キーボードと感染:マスコミと科学的エビデンスの関係

先日から「キーボードは拭いた後のトイレより細菌が多い」って報道を見聞きする

この報道で、医療情報・科学情報に関するメディアの問題について、改めて考えた。

これって、ソースは イギリスの消費者団体Which?の調査結果であり、レフリーのある論文などに由来するものではない。科学的エビデンスレベルの俎上に載らない報告なのである。

医療関係者から見ると、情報ソースの信頼性に問題があるのだが、あいかわらずの馬鹿コメントの多い日テレの朝の番組なんて、トイレよりキーボードが汚いと断言する始末(このコメンテーターはほんとどうにかならないのか?)


衛生的助言を与える、この報告が全く無用かというと、それはそうでもないのだろう。ただ、有害性情報にもなる可能性があるので、面と向かって非難できない・・・そういう読みもメディア側にあるのだろう。

“過剰な清潔への要求”という側面が出てきている。衛生仮説に関しては批判が多いが、最近とのinteractionで生物が存在することを考えれば、行き過ぎた衛生観念は有害性をもたらす可能性がある。・・・清潔をあおることで無駄な衛生関連商品の消費をもたらすことにもなるだろう
(参考:抗菌グッズは無駄だから買うな・・・アメリカ医師会は使用注意を喚起 2004-03-03


ところで、医療機関では、キーボードの"bacterial contamination"に関してはいくつもの研究がある。

論文のひとつだと、“視認や血液のコンタミの有無にかかわらず、、医療環境にあるキーボードは毎日消毒すべき”(Obstetrical & Gynecological Survey. 62(2):103-104, February 2007.)とされる。


いづれにせよ、医学ジャーナルの成り立ちがわかってない人が、自己判断でコメントすることの恐ろしさをメディア自体わかってない・・・特に日テレの番組でそう感じることが多い。


ref.
医者のネクタイは感染源? 手洗いは有効・・・・など 2004.6.2
医者はそろそろネクタイを外す時期なのかもしれない 2006-02-22

by internalmedicine | 2008-05-12 07:34 | 医療一般  

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