高齢者降圧治療:効果に疑問なし、薬剤選択は若年と同様でよい

日本では、政府・官僚による高齢者いじめが本格化し、老人への医療を経済的事由で差別的にとりあつかってる、高齢者ほど、降圧治療によるその絶対的ベネフィットは大きい。
コストや耐用性より年齢がその薬剤選択の根拠というエビデンスは存在しないのだという・・・BMJの論文



年齢とともに、卒中・心臓への相対リスクリスクが強く、そして、直接に関係する。収縮期血圧が20mmHg低下すると、卒中は、80-89歳で33%減少し、50-59歳では52%減少するとされる。多くのトライアルの年齢クライテリアは広いのだが、必ずしも、若年者で想定リスク減少効果が大きいということは観察されてないのである。
高齢、若年者でも、降圧効果比較を反映するが、年齢群間で、有効性の違いを検知するパワーは個々の研究では限定されている。若年者と高齢者で、薬剤クラス別でその効果を比較した報告は少ないが、ガイドラインでは患者の年齢をベースにした薬剤選択もadvocateされているガイドラインもある。



論文の要旨は、
降圧治療により、65歳未満と65歳以上とも、ベネフィットを生じる。主要血管イベントに対する種々薬剤でえられる防御効果は、年齢とともに異なるという強いエビデンスは存在しない。




Effects of different regimens to lower blood pressure on major cardiovascular events in older and younger adults: meta-analysis of randomised trials
BMJ 2008;336:1121-1123 (17 May), doi:10.1136/bmj.39548.738368.BE (published 14 May 2008)

31トライアル、 190 606名で明らかな年齢群における降圧効果の違い、薬剤クラスにおける薬剤の効果の違いはいづれも明らかでない (all P≥0.24)
継続変数で年齢をフィットさせたところ、年齢と治療の有意な相関はみとめず(all P>0.09)

meta-regressionでは、主要心血管イベントに対する2年齢群の効果の相違は有意でない(<65 v ≥65; P=0.38)







by internalmedicine | 2008-05-16 09:38 | 動脈硬化/循環器  

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