ARDSの新しい指標になりえるか? ・・・ PI3:peptidase inhibitor 3
2008年 05月 20日
American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology. Vol. 38, pp. 724-732, 2008
Microarrayベースの研究がARDS類似疾患病態モデルに対して行われているが、この研究方法によっては、ARDSへの直接・間接の病態生理の複雑性のため病態生理再構成するのは困難である。
ARDS3日以内、回復期の患者の全血で検討
126発現遺伝子のうち、peptidase inhibitor 3(PI3)は最大のfold-change(急性/回復期)で、ARDSの急性期中のdown-regulationを示唆されていた。
ARDS40名とリスク対照の23名で比較
MicroarrayにてPI3遺伝子発現低下所見が急性期で見られ、有意に診断前・診断日・診断後にて統計的差がみられた。
PI3の減少は早期ARDS発症経過と相関する (Pearson correlation coefficient: –0.52, P = 0.0006)
PI3は細胞外matrixと共有結合可能であり、循環中PI3はARDS早期発症時ののモニターとして有用かもしれないし、ARDS治療にも意味ある物質かもしれない。
by internalmedicine | 2008-05-20 08:52 | 呼吸器系