強皮症間質性肺炎:simple staging system

間質性肺炎のCTスコア化は以前からなされているが、TLCOなどとの組み合わせでなく、単にFVCとの組み合わせで、desitometryでもないため非常に有用性が高い

cf.)Lung CT Densitometry in Systemic Sclerosis (Chest. 2007; 131:672-681)に比べて簡易


Interstitial Lung Disease in Systemic Sclerosis
A Simple Staging System
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 177. pp. 1248-1254, (2008)

【目的】 SSc-ILDの容易な適用アルゴリズムをPFT(肺機能試験)やHRCTを組み合わせて検討
【方法】SSc-ILD(n=215)の患者で、ベースラインのPFTとHRCTを予後指標として定量化

【測定とアウトカム】
HRCTの"Extensive"病変が進行することは、予後の大きな指標であり(P < 0.0005)、その適切な閾値20%であった。

HRCTの10-30%の広がり(“中間疾患”)であるおkと、FVC閾値70%とすることは適切な予後指標であった。

この観察結果をベースに、SSc-ILDを、limited disease( HRCTでの軽症病変 or 中間病変 、FVC >= 70%) とextensive disease (HRCTでの重症病変 or 中間病変、FVC < 70%)に区分した

このシステム (ハザード比[HR], 3.46; 95% 信頼区間 [CI], 2.19–5.46; P < 0.0005)はHRCT閾値20%(HR, 2.48; 95% CI, 1.57–3.92; P < 0.0005)やFVC70%閾値(HR, 2.11; 95% CI, 1.34–3.32; P = 0.001)より識別力がある。

システムは、4名の訓練者4名の実地医家で評価し、HRCT定義の<20%、>20%を区別し、FVC 70%を中間ケースの閾値として用いる。

ステージング・システムは、すべてのスコアで予後推定となり、訓練者より実地医家のほうが余語分類の程度が高かった (HR, 1.87–2.60)

HRCTとPFTの組み合わせを用いた"limited/extensive" ステージング・システムは予後情報としては識別力のあるやり方である。


HRCTに関するスコア
A/B:total extent:34% 、ground-glass opacity:24%、 reticulation: 8%、 honeycombing:2%
C/D:total extent:24% 、 ground-glass opacity:7%, reticulation: 11%、 honeycombing6%

by internalmedicine | 2008-05-20 14:49 | 呼吸器系  

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