重症敗血症治療において、国際的ガイドラインの順守がはたして入院死亡率減少にかかわるか?
2008年 05月 21日
ガイドライン順守により、早期認識と治療に関して特に注目した教育プログラム導入前後での順守性を測定したもの・・・・ガイドライン順守性改善により死亡率軽減したこと
でも、時とともに廃れていくようだ(笑)
Improvement in Process of Care and Outcome After a Multicenter Severe Sepsis Educational Program in Spain
JAMA. 2008;299(19):2294-2303.
【介入】
教育プログラムは、ED・病棟・ICUからの医師・看護のトレーニングからなりたち、重症敗血症、敗血症性ショック治療の定義、認識、治療の教育
治療は組織化し、2つのBundleに分ける、蘇生要素(即時すべきことと6時間以内に完遂することの6つのタスク)と管理要素(24時間以内に施行すべき4つのタスク)
【結果】ベースラインで3つのprocess-of-care(抗生剤前の血液培養、早期広域スペクトラム抗生剤、適切な吸気プラトー圧にする人工呼吸)のコンプライアンス率は50%超
介入後コホートで、入院死亡率低下(44.0 % vs39.7 % ;P=.04)
process-of-careコンプライアンス変数は介入後改善し、
・敗血症蘇生バンドル (5.3% [95% confidence interval [CI], 4%-7%] vs 10.0% [95% CI, 8%-12%]; P < .001)
・敗血症マネージメントバンドル(10.9% [95% CI, 9%-13%] vs 15.7% [95% CI, 14%-18%]; P = .001)
入院・ICU期間は介入前後も変化なし
長期フォローアップ中、コンプライアンスはもとにもどったが、敗血症マネージ面と関係のコンプライアンス、死亡率はその後も継続した。
この論文中の参考ガイドラインは・・・http://www.kenkyuu.net/id/03-10.htmlに要約翻訳されている、Surviving Sepsis Campaign guidelines for management of severe sepsis and septic shock. Intensive Care Med. 2004 Apr;30(4):536-55. Epub 2004 Mar 3
“敗血症Bundle”・・・紹介してすでに3年・・・あまり普及してないようだが・・・
敗血症に対するBundle 2005-10-07
Bundleは“環”とか、“バンドル”と記載されていることもあるようだ。“人工呼吸器バンドル”は救急医学の学会で用いられているようなので”バンドル”と今回訳した
“ガイドライン順守性”と時とともに廃れ、その良いところだけが受け継がれている?・・・ガイドラインとはそんなものなのだろう。
by internalmedicine | 2008-05-21 11:06 | 集中・救急医療