安定期COPD患者へのLABAsの安全性
2008年 05月 23日
LABAs(長時間作動型β2アゴニスト)の使用が安定期COPDにおける副事象リスク増加につながることを示唆する研究あり、このレビューは安全性を評価、LABAsの有効性も二次評価。
Safety of Long-Acting β-Agonists in Stable COPD
(Chest. 2008; 133:1079-1087)
【結果】 MEDLINE、 EMBASE、 CINAHL、Cochrane Controlled Trials Registerにて27研究を抽出
LABAsはプラセボ比較で重症急性増悪を減少(相対リスク [RR], 0.78; 95% 信頼区間[CI], 0.67- 0.91)
呼吸器による死亡という意味ではLABAとプラセボに有意差なし (RR, 1.09; 95% CI, 0.45 - 2.64)
LABAs+ICSでは、LABAs単独に比べ、呼吸器による死亡リスク減少 (RR, 0.35; 95% CI, 0.14 - 0.93).
LABA処方患者は気流制限、HRQOL、レスキュー薬使用において有意にベネフィットあり
tiotropiumは、LABAsに比べて、重症COPD急性増悪頻度を減少させる (RR, 0.52; 95% CI, 0.31 - 0.87)
β2アゴニスト貼付剤が、これといった確たるエビデンスなく日本では評価されすぎていると、私は思っている。LABAsなどと宣伝したも文書も見たが、喘息のSMARTスタディーやCOPDにおける一部の呼吸器系疾患死亡リスク増加のリスクの報告を顧みないで、喧伝されていると感じている。
“EBM”というお題目だけでちっともEBMをおこなってない呼吸器学会のお偉いさんたち
(http://minds.jcqhc.or.jp/G0000032_0040.html)の存在は日本の医療の問題点そのものである
by internalmedicine | 2008-05-23 09:51 | 呼吸器系