禁煙指導中のCO濃度のカットオフ値についての検討
2008年 05月 26日
一酸化炭素についての動態メカニズムは、Pharmacokinetics and Mechanisms of Action of Carbon Monoxide(pdf)に詳しい。
呼吸CO減衰パターンは、monocompartment取り込みと排泄で提示され、早期減衰カーブでさえ肺胞CO濃度の減少は緩徐で、半減期(78-277分)が以前の研究で推定されている。
(Environmental Research Volume 94, Issue 3, March 2004, Pages 309-318)
喫煙状況をみるための、血中CO濃度 6ppm 呼吸器外来でのカットオフ値 は、 6 ppm、8 ppmなどという報告がある。
COモニターでは、10 ppm(2% CO Hb)が用いられている。
COモニター10 ppmの設定では
①スクリーニングにしては高すぎ、感度を低下させてしまうという問題点
②換気率に従い、クリアランスが増加してしまうという問題点
(運動や、過換気の患者では数値低下が生じる)
もともと、24時間の喫煙本数とCO呼気値の関係・・・結構ばらつきがあるようだ・・・
(Chest. 2005;128:1233-1238.)
COPDとぜんそく患者でのカットオフ値
呼気CO濃度は、気道炎症により増加する。ステロイド治療にてCO濃度が影響を及ぼすという報告があり、COPD患者では酸化ストレスの影響もという報告もある。((Chest. 2003;124:1749-1754.))
ゆえに、こういう病態でのカットオフ値の検討が特別に必要。
スモーカライザーのPPM表示
CO-Hb値が非喫煙者の一般住民研究での心血管リスクとなりえる
COHb% as a marker of cardiovascular risk in never smokers: Results from a population-based cohort study
Scandinavian Journal of Public Health, Vol. 34, No. 6, 609-615 (2006)
COHb%のばらつき0.13%-5.47%で、最高4分位(0.67%)は、最低4分位(<0.50%)に比べ心血管イベント頻度オッズ比 3.7(95%CI 2.0-70)で、死亡オッズ比2.2(1.4-3.5)
by internalmedicine | 2008-05-26 14:06 | 喫煙禁煙