大腸癌:家族歴あるほうが再発・死亡リスク軽減

結腸直腸癌(以下、大腸癌とする)と喫煙は予想通り、再発リスク高いという報告がある
Smokers With Colon Cancer Face High Recurrence Risk
Monday, June 2, 2008



結腸直腸癌家族歴と予後に関してはどうか?
Family History of Colorectal Cancer and Prognosis


Association of Family History With Cancer Recurrence and Survival Among Patients With Stage III Colon Cancer
JAMA. 2008;299(21):2515-2523.

第1度近親者(first-degree relative:遺伝子を1/2ずつ共有している親,兄弟姉妹,子供のこと)では、個人の疾患リスク増加する。しかし、今まで、この第1度近親者と再発と生存率の関係は不明であった。

Chanらが、Stage IIIの結腸癌患者でadjuvant chemotherapyをうけたものを、疾患フリー生存率、再発フリー生存率、包括生存率を前向きに調査したもので、家族歴のある大腸癌では、再発・死亡の有意な減少がみられた。





大腸がん患者のうち、第1度近親16-20%の家族歴とのこと
逆に、第1度近親者に大腸がんがいると、約2倍ほどリスクが増える

1087名のStage IIIの直腸がん患者で、付加的(アジュバントとは書かれていない)化学療法を受けた事例で、2007年3月まで、再発・死亡を、5.6年中央値までフォローしたもの

この報告では、1087名のうち、195名(17.9%)に第1近親者家族歴があった。
家族歴なしと比較して、家族歴ありでは、がん死亡、再発リスク 28%減少(343/892 vs 57/195)。リスク補正にて、26%減少。

家族歴なしのヒトに比べて、2-3名の親族の家族歴がある場合、51%の再発・死亡リスク減少

by internalmedicine | 2008-06-04 09:22 | がん  

<< 低HDL血症と虚血性心疾患:A... 負担が減る部分だけを強調する大... >>