メタボリックシンドロームの概念:高年者の心血管系・糖尿病リスク推定として役立たない(Lancet)

表題のごとき、結論の報告が、The Lancetより報告されている。

対象者が60歳以上だからと抗弁されるかもしれないが、よりリスクの高い状態の人たちでさえその心血管リスク指標にならない疾患概念・・・そんなものが必要なのだろうか?

極東の国で先走りした学者さんたちと官僚が国家施策として始めたばかりの制度の根幹的概念・・・後期高齢者制度と同様、廃止して、もうすこしまともなアルゴリズム確立作業をやりなおしてはどうか・・・政治家様たち

この報告では、メタボリックシンドロームとその構成要素は、2型糖尿病とは関連するが、血管リスクへの関連は弱いか無い。各疾患に関してより適切なリスク・アルゴリズム確立作業を行うべきとされた。

Can metabolic syndrome usefully predict cardiovascular disease and diabetes? Outcome data from two prospective studies
The Lancet Vol. 371, Issue 9628, 7 June 2008-13 June 2008, Pages 1927-1935
メタボリックシンドローム(NCEP III)と5つの心血管イベント、2型糖尿病リスクを4812名の非糖尿病(70-82歳)<Prospective Study of Pravastatin in the Elderly at Risk (PROSPER)>で検討
60-79歳の2737名の非糖尿病男性の前向き研究BRHS(British Regional Heart Study)も追加検討

PROSPERにおいて、3.2年で、心血管疾患772例、糖尿病287例発症
メタボリックシンドロームは心血管のリスク増加と相関無し (ハザード比1·07 [95% CI 0·86–1·32]) だったが、主に空腹時血糖増加(18·4 [13·9–24·5])により糖尿病リスク増加との関連があった (4·41 [3·33–5·84])
この結果は、心血管疾患既存の対象者と類似したものであった。

7年以上の経過において、BRHSにおいて、心血管疾患440例、糖尿病105例発症

メタボリックシンドロームは、糖尿病との強い相関(7·47 [4·90–11·46]).はあるが、心血管疾患偶発事例と軽度相関(relative risk 1·27 [1·04–1·56])

両研究とも、BMI、ウェスト経、TG、血糖カットオフ値は心血管疾患リスクと相関しない。しかし、新規発症の糖尿病と5つの構成要因は相関する。


【付記】ケアネットさんが私のより遙かに上手に解説している
MetSとは撲滅されるべき疾患概念という意を強くする
 ↓
メタボの診断基準では心血管疾患や糖尿病を予測できない?(H20.6.19)

by internalmedicine | 2008-06-13 11:24 | 動脈硬化/循環器  

<< PEACE Study:ムコダ... 地中海式食事療法遵守により糖尿... >>