サルモネラ:時間稼ぎのメカニズム:tight junction保護的働き:AvrA

日本ではセラチア、アメリカではサルモネラで大騒ぎ?

もうすぐ特定されそうですね・・・
FDA Says Tainted Tomatoes Likely Come from a Single Region
http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/PublicHealth/tb/9825



野菜などでサルモネラ感染というのはあんまり考えられなかったが、肥料・水・パッケージ操作など候補が挙がっているようだ。日本でもO157のoutbreakの時、かいわれ大根が候補とされたが・・・、行政の安直な発表とメディアの軽挙妄動にて、結局、法廷闘争にまでなり、結局、真相は闇の中。

病原性細菌は巧妙でなければ、人間と共存?は不可能だろう
あえて、餌食?に餌を与えて、深く潜行して、一気に敵をたたく・・・そういうメカニズムのための、tight junction補強分子をサルモネラが出しているという話

Salmonella Type III Effector AvrA Stabilizes Cell Tight Junctions to Inhibit Inflammation in Intestinal Epithelial Cells
PLoS ONE 3(6): e2369. doi:10.1371/journal.pone.0002369
サルモネラ:想像よりトリッキーと題して、サルモネラのシステムを紹介

PloS One(6月4日)に、細菌の激烈化を説明する分子的なトリックを見いだしたとの報告
University of Rochester Medical Centerの研究者たちは、体内で免疫システムが細菌に対して反応する前は細菌の足がかりを得るための重要な時期、low profileのできる蛋白を産生していた。

サルモネラのような細菌を撃退するため、細菌感染後すぐに炎症が生じる。しかし、サルモネラは免疫系に早期に進入し、静かに増殖し、宿主に害をもたらす。

AvrAとして知られるビルレンス蛋白は、炎症反応を抑える事が知られ、免疫系の報復を避け、増殖・発症までの時間稼ぎを行う。深く潜行して一気に攻撃に転ずるというシステム


AvrAは、腸や胃壁の上皮細胞へ影響を与えるサルモネラの蛋白の一つ。
一方、tight junction蛋白をゆるめ、細菌がバリアを壊し、感染を容易にする蛋白をサルモネラはもっている。
サルモネラ蛋白のいくつかがこのtight junctionをゆるめ、穴を開ける作業中に、AvrAは逆に、tight junction維持に働くのだ。この細菌感染後8-72時間後、吐き気・嘔吐・下痢・腹部クランプを生じる。
この蛋白のため、生体の炎症反応を減少させ、免疫系の発見を幾分遅らせることができる。


by internalmedicine | 2008-06-14 10:30 | 感染症  

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