糖尿病合併症としての聴覚異常
2008年 06月 17日
Ann Int Med. Vol.149 (1) 1 July 2008
【デザイン】 国家統計データ横断的解析
【セッティング】 National Health and Nutrition Examination Survey, 1999 ~ 2004
【参加者】 5140名の施設非入所者(20-69)をオーディオメトリック試験
【測定】聴覚障害評価:低音~中音(500, 1000, and 2000 Hz)、高音 (3000, 4000, 6000, and 8000 Hz) の純音閾値
軽度以上を純音トーン平均>25dB聴覚レベル低下とし、中等以上を>40dBHLとした
【結果】聴覚障害は糖尿病患者で多い
年齢補正頻度低・中音聴覚異常の比率
糖尿病399名:21.3%(95% CI, 15.0% to 27.5%) vs 非糖尿病4741名:9.4% (CI, 8.2% to 10.5%)
同様に、年齢補正高音聴覚障害
糖尿病: 54.1% (CI, 45.9% to 62.3%) vs 非糖尿病:32.0% (CI, 30.5% to 33.5%)
糖尿病と聴覚異常の相関は騒音曝露、聴覚異常誘起性薬剤、喫煙などの補正後も独立した要因であり、低音・中音と高音聴覚障害の補正オッズ比は 1.82 [CI, 1.27 to 2.60] 、2.16 [CI, 1.47 to 3.18]であった。
糖尿病において、内耳の血管床や神経系障害を生じ、聴覚障害をもたらす可能性がある。
内耳道部動脈の硬化、血管条の毛細血管肥厚、ラセン神経節の萎縮、第8脳神経の脱髄化などの報告があり、聴覚障害と糖尿病の関わりが推定される。
by internalmedicine | 2008-06-17 18:12 | 糖尿病・肥満