性腺機能低下例のメタボリックシンドロームのテストステロン治療
2008年 06月 18日
Gooren L, et al "Age and baseline testosterone value do not predict the beneficial effect of normalization of testosterone on the metabolic syndrome" ENDO 08; Abstract P2-271.
ENDO(Endocrine Society meeting)で、12ヶ月ホルモン治療にて、テストステロン値2倍化し、ウェスト径を低下させた。年齢も、ベースラインテストステロン値も、補充治療のベネフィットをよくさするモノではなかった。
老人の低性腺機能男性の、血中テストステロン値を回復することは、メタボリックシンドロームの性状を改善させた。この回復は12ヶ月以上継続した。
95名の性腺機能低下男性34-69歳の研究からのもので、全員メタボリックシンドロームを有し、低テストステロン状態と関連するものであった。
テストステロン欠乏は、メタボリックシンドロームの性状を惹起し、メタボリックシンドロームを有する高齢者性腺機能低下男性の血中テストステロン正常化の影響をみた研究
男性の平均テストステロン値は9.3nmol/Lで、ウェスト径105cm、血中脂質の異常を呈していた。経口的に12ヶ月 testosterone undecanoateを服用し、血中濃度19.4 nmol/L、ウェスト径101cmに減少した。
ウェスト径減少はBMI減少と相関。加えて血中脂質も改善。
テストステロン分子 分子式C19H28O2、分子量288.43
TESTOSTERONE (S), M:2.07-7.61, ng/ml(7.2-26.4nmol/L)
2004年NEJMで以下の報告が有ったことを思い出していただきたい。
→男性更年期のアンドロゲン補充療法・・・・エビデンス無し、リスク可能性大 2004-05-06
Risks of Testosterone-Replacement Therapy and Recommendations for Monitoring
N Engl J Med. Vol.350:482-492 Jan.29, 2004
Tromsø Study から考えれば、ウェスト径とBMIは共役関係があり、これもわざわざメタボリックシンドロームということばを入れ込んでいるだけの報告に思えるのだが・・・
Waist Circumference and Testosterone Levels in Community Dwelling Men. The Tromsø Study年齢補正にてウェスト径と総テストステロンレベルは相関有り-0.34(p<0.001)で、ウェスト径とfreeテストステロン値の相関 -.09(p<0.001)、ウェスト径とSHBG-0.44(p<0.001)。BMIとライフスタイルで補正で、相関は減弱、完全には消失しなかった
ref.)
ウェストヒップ比とテストステロンの季節性変動 2006-08-23
by internalmedicine | 2008-06-18 14:41 | 医療一般