ボディーピアス:イギリスでの調査

イギリスで、耳朶以外の、ボディー・ピアス頻度を推定し、年齢区分、性別、社会階層、解剖学的部位、施行者を調査したもので、合併症の頻度、医療必要性の比率を今後のため調査した報告



現在のボディーピアスは、 gay leather やBDSM subcultureなどから派生したものらしい。1960年代後半ニューヨークのゲイ・SMクラブが起源との説があるらしい。

まぁ・・・あんまりまねしてほしくない代物だとおじさんたちは思うのだ。そしていろんなところあけまくっていることに驚いてしまう。

Body piercing in England: a survey of piercing at sites other than earlobe
BMJ 2008;336:1426-1428 (21 June)

【セッティング】2005年イギリスの全地域・横断調査
【対象者】10503名の16歳以上、2段階選択プロセス:ランダムに地理的範囲を選択し、事前割り当てのファイリングを行った。結果は16歳以上の国家人口動態統計の重み付けを行った。
【主要測定項目】全年齢・年齢層毎、性別、解剖的部位別のボディ・ピアスの頻度推定
16-24歳で、合併症と関係するピアスの比率、医療必要性調査
【結果】ボディ・ピアスの頻度1049/10 503 (10%, 95% 信頼区間l 9.4% to ~.6%)
若年群では、ボディ・ピアスは、男性より女性で多い
16-24歳の女性の約半数がピアスを行っている(305/659, 46.2%, 42.0% ~ 50.5%)
16-24歳の754のピアスをしているひとのうち、合併症233(31.0%;26.8%~35.5%)
医療専門家介入が必要と思われる例:115(15.2%;11.8%~19.5%)
入院必要例:7(0.9%;0.3%~3.2%)
【結論】ボディピアスは英国では随分比路もあっていて、特に若い女性では半数。
問題は多く、医療が必要なケースも多い。
受診必要な事例から入院必要な重症合併症までまれだがみられ、この医療行為の頻度健康サービスの重要な位置づけということになるだろう。



ピアス部位(%表示、成人頻度、男性、女性)
耳:1.8(1.5-2.1)、1.3(1.0-1.7)、2.2(1.8-2.7)
眉:1.3(1.1-1.6)、1.6(1.2-2.0)、1.1(0.9-1.4)
鼻:3.0(2.7-3.4)、0.6(0.4-0.9)、5.3(4.7-6.0)
唇:0.6(0.4-0.8)、0.5(0.3-0.8)、0.7(0.5-0.9)
舌:1.5(1.3-1.7)、1.0(0.7-1.3)、1.9(1.6-2.3)
乳首:1.4(1.1-1.6)、1.8(1.5-2.3)、0.9(0.7-1.2)
へそ:5.0(4.6-5.4)、0.4(0.2-0.6)、0.5(8.7-10.3)
生殖器:0.3(0.2-0.4)、0.2(0.1-0.4)、0.3(0.2-0.5)
他:10.0(9.4-10.6)、5.1(4.4-5.8)、14.6(13.7-15.7)


合併症
全体的  :31.0% (26.7% - 35.5%) 15.2% (11.8% - 19.5%)
腫脹 :15.4% (12.7% - 18.6%) 6.3% (4.6% - 8.5%) 
感染 :9.7% (7.3% - 12.9%) 6.8% (4.6% - 10.0%) 
出血 :8.6% (6.4% - 11.3%) 4.1% (2.6% - 6.5%) 
他 :2.5% (1.4% - 4.3%) 1.1% (0.4% - 2.7%)
アレルギー:1.6% (0.8% - 3.3%) 1.5% (0.7% - 3.1%) 
割創、損傷:1.3% (0.7% - 2.4%) 0.5% (0.2% - 1.3%)




ピアス関係は、アンダーグラウンドとなる素地がある
医師法違反 ピアス穴開け、無資格で行う 容疑の業者逮捕(2006年10月31日)
 医師法上の医療行為にあたるピアスの穴開け行為を無資格で行ったとして、警視庁生活環境課は31日、千葉県浦安市日の出、ピアス販売業、鈴木浩行容疑者(45)と、同居の伊藤真奈美容疑者(42)を医師法違反などの容疑で逮捕した。同課によると、ピアスの穴開けの専門業者が同法違反で摘発されたのは初めて。
http://obaco.blog68.fc2.com/blog-entry-7898.html


Wikiがよくまとまっているようだ・・・

by internalmedicine | 2008-06-20 08:57 | 医療一般  

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