原薬等登録原簿(MF)制度:後発医薬品原材料メーカーの関心事

過日はじめて後発専門メーカーのMRさんが来院した。といっても、テレビで大々的に宣伝している大会社じゃなく、国内バルク製造まで行ってる会社で以前から好感をもっていた会社である。

話をして、後発医薬品に関して、彼らの関心は、原薬純度につきるようで、医師・薬剤師との視点の違いがあることに気づいた。

スキャナー不良でデジカメ写真アップするが・・・先発薬と後発薬の比較で、先発薬でも後発薬より純度が低下するモノがあるとの主張
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こと製品の質に関しては、先発=よいモノ、後発=劣るモノというものではないという主張だ

ジェネリック薬品の問題点も放送せよ!   2005-01-27の記述とは興味の対象が全く異なるようだ。



おそらく、製造メーカーが関心をむけるきっかけとなったのは、2005年4月から開始されたMF(Master File:原薬等登録原簿)制度

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構:原薬等登録原簿(MF)について


輸入減薬では、最初のサンプル原薬がよくても実際の供給が始まったとたん純度が低下する”という事例がどうもあったようで、このような制度が始まったらしい。
インド=粗悪品というイメージは間違いであるようで、”インドなどのFDAとつきあいの深い企業は的確な対応をとっている”などという記載があり、私たち医師たちとは印象が異なるのである。


ところで、我々医療者の必要とするモノは、”純度をそんなに追求しているのではなく、安全性を前提の上で、先発医薬品とまったく同じ動態・薬効を示す後発品”を必要としているのである。

技術・製造専門家さんと、医療現場の専門家とは、同じ商品を違う目で見ているのであることをあらためて感じたところである。


あくまで製造者の言い分なのだが、後発医薬品でも製造に直接関わる方々と医療の現場の人間が議論すれば、ジェネリックの本態が明らかになることだろう。



海の向こうでは、最近ジェネリック薬品の薬効に関する問題が、次々にマスコミで報道されている。
事例:
Release of Generic Lipitor Is Delayed
http://www.nytimes.com/2008/06/19/business/19drug.html?_r=1&ref=health&oref=slogin


記者クラブで、言論統制している厚労省のためか、あるいは、実際の製品安全性情報活動をほとんどせず、メディア上の宣伝にのみ経費を使う大手ジェネリックメーカーの存在のためか、日本の大衆メディアは、この問題を取り上げようとしない。

医療専門家たちと、先発・後発を問わず製造業者との直接対話というのがあれば、この後発品の問題別の展開が開かれるのかもしれない。


薬事法改正:H15.7改訂、H17.4完全施行
・医薬品製造販売業者が製品製造の全てを外部委託できるようになった
・製品出荷後の製造販売業を認める用件
・GMP(Good Manufacturing Practice):製造業者の製造管理及び品質管理に関する基準
・GVP(Good Vigilance Practice):製造販売後安全管理基準
・GQP(Good Quality Practice):品質保証基準

文書化だらけ(るISO13485に準拠)
・ 「継続的改善」を「有効性の維持」へ置き換え。
・ 「顧客満足」を「フィードバック」へ置き換え。
・ 洗浄性・清潔・汚染防止他衛生面での要求事項の強化。
・ 文書化要求事項が多いこと 等が特徴です。


「フィードバック」が全くなされてない後発医薬品大手はなぜ義務違反に問われない?

by internalmedicine | 2008-06-21 08:08 | 医療一般  

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