治療モデル:血圧モニタリング+ウェブサービス+薬剤師ケアマネージメント


高血圧治療の新しいケアモデル:Novel Models of Care for Treatment of Hypertension


高血圧の多くの患者は、適切なコントロールに至ってないことは世界中の問題のようで、治療抵抗性血圧の問題もだが、ライフスタイルの改善や薬剤コンプライアンスの改善、血圧治療の質改善などが、今後の高血圧治療の課題

薬剤師さんのウェブ上の指導を評価する研究結果であった

薬物コントロール不能の本態性高血圧患者のランダム化トライアルにて、Greenらは収縮期・拡張期血圧の評価を通常ケア v. Webベースの医療リソースを用いた家庭内血圧モニタリングとトレーニング(Web services)、血圧モニタリング+Web service+Webコミュニケーションを用いた薬剤師ケアマネージメントを比較

12か月評価にて、著者らは通常ケア+血圧モニタリング+Web service比較にて、血圧モニタリング+Web service+薬剤師ケアマネージメントが有意に血圧コントロール改善をもたらした



Effectiveness of Home Blood Pressure Monitoring, Web Communication, and Pharmacist Care on Hypertension Control
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2008;299(24):2857-2867.

3群ランダム化トライアル
・電子コミュニケーション(Electronic Communications)と家庭内血圧測定Home Blood Pressure Monitoring)研究を慢性疾患(Chronic Care Model)モデルとして検討
・ワシントン州でintegrated groupで行われた、778名、25-75歳のコントロールされてない本態性高血圧患者でインターネットアクセスできる患者
・ケアは、ウェブサイト上secureな患者( from June 2005 to December 2007)


778名の患者中
730 (94%) が1年フォローアップ受診完遂

家庭内血圧モニタリング・Webトレーニング群は、対照の通常ケア群に比べて血圧コントロール(<140/90 mm Hg)患者比率は有意に増加していない
(36% [95% confidence interval {CI}, 30%-42%] vs 31% [95% CI, 25%-37%]; P = .21)

家庭内血圧モニタリング+ウェブトレーニングに、ウェブベース薬剤師ケアを追加した場合、血圧コントロール比率はコントロール比率増加 (56%; 95% CI, 49%-62%)し、通常ケア群に比べても、ウェブベース薬剤師ケアのない介入群 (P < .001)、家庭内血圧モニタリング・ウェブトレーニング群(P <.001)に比較して改善

収縮期血圧は通常ケアから家庭内血圧、ウェブトレーニング・家庭内血圧モニタリングのみ、ウェブトレーニング+薬剤師ケアとともに収縮期血圧低下する

拡張期血圧は、薬剤師ケア群のみ、他の2群より低下

ベースラインで収縮期血圧160mmHg以上で、“家庭内血圧モニタリング、ウェブ・トレーニング+薬剤師ケア”が、総数での血圧減少を最ももたらした
収縮期血圧(–13.2 mm Hg [95% CI, –19.2 to –7.1]; P < .001)
拡張期血圧(–4.6 mm Hg [95% CI, –8.0 to –1.2]; P < .001)
血圧改善比率 (relative risk, 3.32 [95% CI, 1.86 to 5.94]; P<.001
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日本の諸悪の根源・経団連は、ITとやらで、日本の医療費削減するなどと、度をこしたアホな提言をして、チンパンジーのような総理大臣がそれを「(経団連の実を太らせる)骨太改革」と決めたらしいが、本来のIT技術の利用とはこういうものであろう。

by internalmedicine | 2008-06-25 09:48 | 動脈硬化/循環器  

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