DNAメチル化の個体経時的変化と家族集積性

DNAメチル化のような、epigenetic mark、DNAのmodificationは、コモンなヒトの疾患のetiologyにて役割を果たすかもしれない。メチル化が経年的に変化し、家族集積的変化のエビデンスから、遺伝子コントロール下にメチル化維持が行われている可能性があるとのこと・・・

エピジェネティクスとは、DNA塩基配列の変化によらない遺伝子発現の変化が細胞世代を超えて継承される現象を研究する学問領域である。エピジェネティックな仕組みは、例えば花の形態やショウジョウバエの眼の色など、多様な生物学的特性に作用している可能性がある。エピジェネティックな変化は、生物個体を構成するさまざまな細胞種の発生や分化に極めて重要であり、加えて、哺乳類の雌でみられるX染色体の不活性化や酵母の交配型遺伝子座のサイレンシングといった、正常な細胞内現象にも不可欠である。しかし、環境の影響や老化の過程でエピジェネティックな状態が破壊されることがあり、癌その他の疾患の発生におけるエピジェネティックな変化の重要性が次第に評価されつつある。 http://www.natureasia.com/japan/nature/supplements/supplements.php?id=14



Intra-individual Change Over Time in DNA Methylation With Familial Clustering
JAMA. 2008;299(24):2877-2883.
DNAメチル化の長軸的変化を検討し、メチル化が家族集積性にて維持されるか、Bjornssonらは、DNAメチル化を平均11年、16年隔てた変化を調査。DNAメチル化の個体内の経時的変化を研究し、DNAのメチル化の欠如を調査し、あわせ家族集積性も調査。

アイスランド住人では29%にて、10%以上のメチル化の経年的変化を見出した (P < .001)
家族ベースのUtahでの試料では、個体内変化をやはり示し、さらにメチル化変化の家族集積性を示した(P = .003)
DNAのメチル化の欠如が多い家族では、separate methylation assayにより遺伝子特異的メチル化の欠如を示した。






DNAメチル化異常と発がん(国立がんセンター)
DNAメチル化とは?
C→Gという配列(CpG部位)のCは、メチル化されていたり、されていなかったりする。・・・CpG部位がメチル化されているか、いないかは、いわば、簡単には消えない、ゲノム上のマークとして働く
一方で、CpG部位のメチル化は、ゲノム内のどこでも重要というわけではなく、CpG部位が密集したゲノム領域(CpGアイランド)のメチル化状態が、重要と考えられている。特に、CpGアイランドが遺伝子5'領域にある場合、その遺伝子の発現スイッチとして働くことが知られる。普通の遺伝子の場合、遺伝子5'領域CpGアイランドはメチル化されておらず、発現可能な状態になっている。

がんでは、普通はメチル化されていないはずのがん抑制遺伝子5'領域CpGアイランドが異常にメチル化され、発現が抑制されていることがある(B)。近年、突然変異と並ぶ、重要な発がん機構として認知されている

by internalmedicine | 2008-06-25 10:34 | 医学  

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