心血管イベント予測因子対決:冠動脈石灰化 vs 頸動脈IMT
2008年 06月 25日
PERISCOPE研究:アクトス冠動脈動脈硬化抑制効果証明 2008-04-01 での比較パラメータとして使われた、carotid IMT・・・はたして、CVD臨床的アウトカムの指標となりえているのだろうか?pioglitazone:0.06% (–0.47% ~ 0.35%)減少というのが、どれほどのインパクトを持つのか?
Coronary Artery Calcification Compared With Carotid Intima-Media Thickness in the Prediction of Cardiovascular Disease Incidence
The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA)
Arch Intern Med. 2008;168(12):1333-1339.
【序文】 Coronary artery calcium (CAC) と carotid intima-media thickness (IMT) は、動脈硬化の非侵襲的測定であり、コンセンサス委員会では新血管疾患の確率を予測するリスク要因評価法に追加推奨されている。
目的は、maximum carotid IMTとCAC(Agatston score)がCVD発生ほ良好な予後推定であるかの検討
【方法】 45-84歳の前向きコホート研究で、4民族グループ
ベースラインでのCVDなし(n=6698)で行われ、標準化頚動脈IMTとCAC測定し、6つのMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA)フィールドセンタ
主要アウトカム測定は、最大5.3年フォローアップのCVD(冠動脈心疾患、卒中、致死的CVD)発生イベントのリスク
【結果】フォローアップ中222のCVDイベント
CVD発症リスクにおいて、冠動脈カルシウムが、頚動脈IMTより強く相関がある
CACスコアとIMTの相互・伝統的なCVDリスク要因補正後、CVDハザード比は、対数変換CACスコア 1-SD増加ごとに2.1倍(95%CI 1.8-2.5)増加する。対して、最大IMT 1-SD増加ごとに1.3(95% CI 1.1-1.4)倍増加。
For coronary heart disease, the hazard ratios per 1-SD increment increased 2.5-fold (95% CI, 2.1-3.1) for CAC score and 1.2-fold (95% CI, 1.0-1.4) for IMT.
ROCカーブ解析もまた、CACスコアはIMTよりCVD発生頻度の良好な予後因子である。それぞれ、AUCは0.81 vs 0.78であった。
IMTプロトコール
http://eurheartj.oxfordjournals.org/cgi/reprint/23/12/916.pdf
内頚動脈石灰化が老人でのリスク要因再分類に役立つという話
Coronary Artery Calcium to Predict All-Cause Mortality in Elderly Men and Women
J Am Coll Cardiol, 2008; 52:17-23, doi:10.1016/j.jacc.2008.04.004
35,388名(70歳以上3,570名、50%女性)の全原因死亡率を平均5.8 ± 3年フォローアップ
老人において、リスク要因とCACはより多く見られ、フォローアップ終了時点での総生存率は97.9%
死亡率は、年齢10分位とともに増加し、相対ハザード1.09(95%CI 1.08-1.10 p< 0.0001)で、女性より男性度高い (ハザード比: 1.53; 95% 信頼区間: 1.32 - 1.77, p < 0.0001).
10分位年齢とともに、CACスコア増加とともに生存率低下 (p < 0.0001)
40歳未満、80歳以上男性生存率は、CACスコア≧400にて、88%と19% (女性では、95% 、 44% , p < 0.0001)
CACなしの20562名の患者で、年間死亡率は40-49歳、≧70歳で0.3%、2.2%(p < 0.0001)
CAC使用にて、≧70歳で、リスク要因が3を超えるケースを、40%再分類可能とする
by internalmedicine | 2008-06-25 12:18 | 動脈硬化/循環器