教育の世界も科学的実地的介入試験を
2004年 07月 23日
行政、PTAのみなさんは机上の空論だけふりかざすべきではない。
(“養護学校で,子どもたちのために学校ぐるみで取り組まれてきた性教育が、「過激な性教育」と攻撃され,石原都知事も一方的に非難する発言をしました。”)ということが事実なら、都知事はまったくの馬鹿者です。批判するなら科学的実証にとりくむべき予算でもたてるべき
イギリスの実証主義というのはみならうべきで、生徒同士(といっても上級生から下級生へだが・・)の性教育に関してランダム化介入試験を試みている
↓
Pupil-led sex education in England (RIPPLE study): cluster-randomised intervention trial
the Lancet Volume 364, Number 9431 24 July 2004【序】学校の性教育の改善はイギリスの10歳代の妊娠を減らすUK政府戦略のカギとなる。8000名に及ぶ学校をベースとしたランダムかトライアルにてpeer-led(生徒同士の)性教育の有効性を検討。
【方法】29の学校をpeer-led性教育(介入)と通常の教師の伝える性教育(対照)へランダムに割り当て。介入群の学校では、16-17歳のpeer educatorが3つの13-14歳の生徒の性教育セッションを行う。
16歳までの第一アウトカムは無防備な(コンドーム無しの)初回異性性行為
ITT解析
【結果】
16歳まででは、対照群に比較してpeer-led群では女性における性交が少なく、男性では同程度。無防備な性交を報告した生徒の比率は女性でも(8·4% intervention vs 8·3% control) 、男性でも変化無し(6·2% vs 4·7%)。
16歳時点のフォローアップで、介入群女性は意図しない妊娠が少ない、ただしその際は境界的ではあるが(2·3% vs 3·3%, p=0·07)。
男女とも教師による性教育よりpeer-ledによる性教育に満足度が高いが、女性57%、男性37%では性別ごとの性教育を欲している。
【解釈】peer-led性教育は幾分か有効だが、幅広い戦略が若年層の性健康を改善するため必要。性別ごとの役割がさらに検討されるべき
by internalmedicine | 2004-07-23 14:56 | 医学