教育の世界も科学的実地的介入試験を

学校の性教育に関しても、科学的実地的検証がなされてない介入では結論も出ないのが当たり前・・・思想の問題に転換するのではなく科学的に検討しましょう。

行政、PTAのみなさんは机上の空論だけふりかざすべきではない。

“養護学校で,子どもたちのために学校ぐるみで取り組まれてきた性教育が、「過激な性教育」と攻撃され,石原都知事も一方的に非難する発言をしました。”)ということが事実なら、都知事はまったくの馬鹿者です。批判するなら科学的実証にとりくむべき予算でもたてるべき


イギリスの実証主義というのはみならうべきで、生徒同士(といっても上級生から下級生へだが・・)の性教育に関してランダム化介入試験を試みている
 ↓
Pupil-led sex education in England (RIPPLE study): cluster-randomised intervention trial
the Lancet Volume 364, Number 9431 24 July 2004【序】学校の性教育の改善はイギリスの10歳代の妊娠を減らすUK政府戦略のカギとなる。8000名に及ぶ学校をベースとしたランダムかトライアルにてpeer-led(生徒同士の)性教育の有効性を検討。
【方法】29の学校をpeer-led性教育(介入)と通常の教師の伝える性教育(対照)へランダムに割り当て。介入群の学校では、16-17歳のpeer educatorが3つの13-14歳の生徒の性教育セッションを行う。
16歳までの第一アウトカムは無防備な(コンドーム無しの)初回異性性行為
ITT解析
【結果】
16歳まででは、対照群に比較してpeer-led群では女性における性交が少なく、男性では同程度。無防備な性交を報告した生徒の比率は女性でも(8·4% intervention vs 8·3% control) 、男性でも変化無し(6·2% vs 4·7%)。
16歳時点のフォローアップで、介入群女性は意図しない妊娠が少ない、ただしその際は境界的ではあるが(2·3% vs 3·3%, p=0·07)。
男女とも教師による性教育よりpeer-ledによる性教育に満足度が高いが、女性57%、男性37%では性別ごとの性教育を欲している。
【解釈】peer-led性教育は幾分か有効だが、幅広い戦略が若年層の性健康を改善するため必要。性別ごとの役割がさらに検討されるべき

by internalmedicine | 2004-07-23 14:56 | 医学  

<< 日本の麻疹ワクチン行政の特異性 抗うつ薬種類によらず投与直後に... >>