日本の麻疹ワクチン行政の特異性
2004年 07月 23日
Why is measles still endemic in Japan?
The Lancet 2004; 364:328-329
WHOが麻疹を根絶するようイニシャチブをとりいるにもかかわらず、日本はまだ、麻疹をコントロールできていない、その問題を10年以上抱えている。世界的な努力にかかわらず、推定20満員、88名の死亡が2000年に日本ではあった。しかし、日本国内だけの問題ではない。アメリカのCDCは日本をUSA対する麻疹輸出国と断定した。・・・・日本では1966年に麻疹ワクチンが導入され、MMRワクチンとして1989年まで続いた。1993年日本で用いられたMMRワクチンは無菌性髄膜炎(mumps Urabe AM 9 strainによる)に高頻度により中止された。1994年国内法改定し、推奨にとどめるとこととなったのだ・・・
ワクチン任意接種を強いる“国民世論”のため1994年以降、日本政府はワクチン行政に関して非常に受け身的となり、その結果ワクチンにより予防できる疾患への公衆鏡衛生教育もおざなりとなり、疾患の重要性も軽視され続けている。
麻疹ワクチン接種率は麻疹撲滅に近い他国に比べ著しく劣り、さらに通常の国で行われる2回接種さえ日本では行われていない。
日本固有の問題として厚労省のリーダーシップほとんど聞かず、メディアもワクチンに批判的な主張しかながさない。インフルエンザワクチンでさえ、接種率を高めるべきじきに批判的な論評のみを掲載した朝日新聞などはharmfulです。
ワクチン接種禍というラベリングの元、大メディアも個人も揃ってワクチン=悪であるという印象をあまねく広めたわけです。
外国英文雑誌に日本人医師がなぜ投稿したか、本人でなければわかりませんが、医師たるものの無念さを、じくちたる思いを持ちます。
だれも責任をとらない行政・政府、悪者捜しに必至のマスコミ、表層的な評価しかできない国民、合理的な説明・説得をできなかった医師・医療関係者・・・皆に責任があるのです。
なんでも反対の原則反対主義とリンクしたマスメディアの功罪の罪が大きい分野だとわたしは思います。
国際的に見ればかなり奇異な言動を繰り返す、一部の変質的な反ワクチン運動家たちの意見のみ新聞やテレビは報道し、ワクチン接種の重要性を真に説いている医師やまともな意見をもつ人たちに対して、“医師会の陰謀”や“ワクチン製造会社”の陰謀などと子供じみた発言でもみけす・・・そういう国なのです。
by internalmedicine | 2004-07-23 15:50 | 感染症