看護師ベースの癌患者のうつ管理:SMaRT oncology 1
2008年 07月 05日
大うつ病は、癌のような疾病を有する場合、特にシビアにQOLを障害することとなるが、そのマネージメントをガイドするエビデンスは乏しい。担がん患者での看護師による複合的介入を評価し大うつ病治療へのデザインを検討したモノ
Management of depression for people with cancer (SMaRT oncology 1): a randomised trial
The Lancet 2008; 372:40-48 DOI:10.1016/S0140-6736(08)60991-5
【方法】UKスコットランドでの地域がんセンターでのランダム化トライアルで、200名、6ヶ月超の予後をもつ担癌患者で、大うつ病(スクリーニングにて同定)した対象者
平均年齢56.6(SD 11.9)歳で、141(71%)が女性
ランダムに分け、99名を通常ケア、101名を通常ケア+介入群とした
介入は、癌専門看護師により行われ、平均7セッション施行
プライマリアウトカムは、介入3ヶ月後の自己報告Checklist-20 depression scale (range 0 ~ 4)で評価
【結果】プライマリアウトカムデータは4名で不能。
196名の患者で、 補正されたSymptom Checklist-20 depression score平均にて、介入群と非介入群は0.34(95%CI 0.13-0.55)であった。
この治療効果は6-12ヶ月持続し、介入は不安・疲労を改善した
しかし、疼痛・身体機能は改善しなかった。
QALYあたり £5278 (US$10 556)のコスト増加であった。
3ヶ月最大10回の1:1のセッションで、センターでもしくは、電話で、あるいは自宅で介入は行われ、医薬品治療を含み問題指向型治療で、”helplessness"を克服するようデザインされたもので、うつ治療マネージメントのついてoncologistやプライマリケア医とコミュニケーションを行うもの月ごとにモニターし、nine-item Patient Health Questionnaire (PHQ-9)で評価する
各セッションは45分で、3名の癌専門看護師の一人が配置され、詳細マニュアルに従う。
全てのセッションはビデオ記録され、10%でアドヘレンス評価
by internalmedicine | 2008-07-05 09:55 | 精神・認知