前向き研究:筋力と全原因死亡率、癌死亡率
2008年 07月 11日
筋力の重要性とともに、この抵抗運動の効用を強調している報告である。
Association between muscular strength and mortality in men: prospective cohort study
BMJ 2008;337:a439
【デザイン】前向きコホート研究
【状況】エアロビクスセンター長期研究
【参加者】20-80歳の8762名
【結果】平均18.9年のフォローアップで、503名死亡(145名心血管疾患、199名癌)
筋力強度の三分位毎に、1万名の年齢補正死亡率
全原因:38.9, 25.9, 26.6
心血管疾患: 12.1, 7.6, 6.6
癌: 6.1, 4.9, and 4.2 (all P<0.01 for linear trend)
年齢・身体活動性・喫煙・アルコール摂取・BMI・基礎的医療状況・心血管疾患家族歴補正後、ハザード比表示:筋力増強毎
全原因: 1.0 (対照), 0.72 (95% 信頼区間 0.58 - 0.90), 0.77 (0.62 - 0.96)
心血管:1.0 (対照), 0.74 (0.50 - 1.10), and 0.71 (0.47 - 1.07)
癌:1.0 (対照), 0.72 (0.51 - 1.00), 0.68 (0.48 - 0.97)
心血管fitness補正後も、筋力と全原因死亡、癌死亡と相関がある。
筋力と心血管死亡の関係は心血管fitness補正後減衰する。
discussion部分から・・・
筋力の死亡に対する予防的影響は筋力、筋繊維の種類、形状、定期的運動の結果、特にresistance exerciseの結果などによる。
筋繊維の種類や形状は遺伝的素因を有し、筋力に影響を与え、抵抗性の身体活動性が筋力の大きな決定因子であることが判明している。男性では、自己報告resistance exerciseと最大筋力に強い相関があり、「抵抗運動」の程度が強いほど筋力が高い。筋力・耐用能、筋量、昨日、日々の身体活動性、心血管リスク状態、QOLを「抵抗運動」は影響を与える。「抵抗運動」のbenefitは男女とも、若年、高齢者、過体重・肥満者、disabilityの有無、心血管疾患合併でも有効(Circulation 2007;116:572-84.)。
60歳以上、未満の男性で、筋力と全原因・癌死亡率の逆相関を示し、筋力増強のbenefitを示した報告であった。老人では、機能的パフォーマンスは直接筋力に依存し、年齢とともに筋肉の量が減少し、筋力が低下する。体重と関連なく、この相関がみられることが重要で、肥満者でもこの体重と死亡率の関係を見出した。同様に正常の体重対象でも同じであった。
BMIは筋力の強度に影響を持ち、60Kgの体重の人の下肢筋力は90Kgのひとより少ないだろう。体重だけでなく、身長の影響をコントロールしなけらばならない。トルクや力積に影響を与える。高BMIは死亡・筋肉の総量であり、BMIの増加は一般的に脂肪量とされている。
過体重・肥満は米国では66%を超え、disabilityや死亡と関連する。このことが公衆衛生的に重要という
運動は肥満治療として、おもに好気的運動を推奨されているが、体重コントロールには「抵抗運動」が重要で、おもに代謝的に活動性のある筋量の増加をもたらすことになるためである。
多くの環境で、身体非活動性の場合、安静時エネルギー消費はエネルギー消費の大きな部分となる。筋代謝に関連するエネルギー消費は、安静時のエネルギー消費の成分であり、影響が大きい。他の内臓組織、脳、皮膚などはさほど影響を与えない。なぜならその量はさほど変わらず、蛋白代謝量も変わらないから。
”パワーリハビリ”なんて特定の業者との癒着を目指したため失敗した厚労省・・・まっとうな検討をすればよかったのに・・・くそ役人の欲得で・・・むちゃくちゃにした、抵抗運動
なつかしいなぁ・・・
パワーリハビリテーションに関する・・・・シリーズ(1)
続き:パワーリハビリテーションに関する・・・・シリーズ(2)
パワーリハビリから運動療法の論文のメモ
リハビリテーション前のリスク層別化を含む充分な評価とアドへランスの担保、モチベーション確保の上の、好気的運動+抵抗性運動+バランス運動というのが王道だと思うのだが・・・ちんけな計画じゃ所詮・・・
馬鹿役人たちの愚かな施策の数々・・・反省をしらないのが役人の脳みそが猿以下であるゆえんである。
by internalmedicine | 2008-07-11 12:05 | 運動系