喘息と雷雨
2008年 07月 14日
気候と喘息の関係は以前からいろいろ指摘されているが、MINDsでは
喘息増悪因子として最も重要なものは急激な気温の変化と考えられ、前日と比較して5℃以上温度変化があると発作が起きやすいとされているのみ記載
今回の報告では、
thunderstorm、雷雨は、空気を綺麗にすると思われるが、喘息ER受診を3%ほど増加し、それは雷雨翌日、喘息受診の増加(<0.001)とのこと
喘息はそのインパクトは少ないが重要と述べている。
”Thunderstorm asthma”ということで取り上げ(Curr Allergy Asthma Rep. 2004 Sep;4(5):409-13.)られたりしていたが、花粉との関係で説明されることが多い(Allergy. 2007 Jan;62(1):11-6. )。穀類花粉が浸透圧により破壊され、大気中に放散され、0.5-2.5μmのサイズで運ばれる。
故に、雷雨関連の喘息の増加の一部にはこういう花粉の関連があるという考えが主体である。
そして、花粉へのアレルギーが関連しているという実地的エビデンスもある(Clin Exp Allergy. 1997 Jul;27(7):725-36.)

レター報告:Grundstein A, et al "Thunderstorm-associated asthma in Atlanta, Georgia" Thorax 2008; 63: 659-660.
1993-2004年の12年間、喘息にてER受診記録
雷雨に関しては空港のデータを使用
総日数の12.9%で雷雨発生日であった
41EDでの喘息受診数215832で、雷雨後24350の受診
ハザード比1.035で、有意差P<0.001
雨無しの嵐のみでは有意差がなかった。
0-0.28cmの雨では、ハザード比 1.047 P=0.009
0.28-2.06cmの雨では、ハザード比 1.032 P=0.016
2.06cm以上の雨では、ハザード比 1.045 P=0.010
9.4m/sec未満の風の場合この影響は見られず
9.4-14.3m/secの風の場合、ハザード比 1.049 (P<0.001)
さらに風が強い場合は 1.039で統計的有意差なし (P=0.061)
アトピー型でないケースでも雨後調子が悪いと訴える患者が多いような気がするのだが・・・
by internalmedicine | 2008-07-14 11:15 | 呼吸器系