糖尿病予防のための食事療法についてエビデンスは十分あるのか?
2008年 07月 16日
今更ながら、臨床に根ざしたエビデンスの構築が世界的にも遅れていることがわかる。
世の中には、臨床的エビデンスなんて関係ない、根拠などは自分の思い込みで・・・極論する人が多くて、自分だけ犠牲になるならまだしも、他人にまで吹聴して回る困った人たちがいて、出版まで行い、根拠なきデマ情報をまき散らす、いわゆるQuackeryがいる。マスコミなんかに取り入って、国全体に嘘をはびこらせる。
恐ろしいことに役人や役人OB医学部教授や実は基礎研究しかしてなかったのに臨床医学の教授などになっている人や臨床医師でも各個人で十分検討せず、当然、原著などの一次情報に当たらず、その場の考えで流され、とんでも医学を推奨してしまうという事態が生じている。
糖尿病は生活習慣だから個人にのみ問題があり、そういう人たちには保険料負担を上げさせるべきだとバカな主張を、そのまま現にんしてしまい、いわゆるメタボ健診をけしかけ、結局、補助金国庫支出減だけのためのペナルティーをあたえるためだけの健康行政・・・それをやっているのがいまの馬鹿役人たちの厚生行政なのである。
臨床に科学性を徹底することが日本の医療に必要と思う。
前置きが長くなったが、Cochrane Library(Dietary advice for treatment of type 2 diabetes mellitus in adults)から
2型糖尿病は確かにライフスタイルの変化と良質な食事助言にてその発症を予防したり、遅らせることができる。
ただ、Cochrane Researcherらは、食事助言だけでは疾患予防の適用にならないということを見出した。
2型糖尿病は非常に顧問で、その数は増加している。肥満と関連し、80%が肥満を有する状態である。ゆえに、肥満頻度が世界中で増加し、2型糖尿病の頻度も増加している。
WHOでは1億8千万が糖尿病り患しており、2030年に倍加すると推定している。
Cochrane Researcherらは食事助言単独で2型糖尿病をできるかどうか、358名の参入の2つのトライアルを検討した。少数のデータしか認められなかったと、研究者たちは落胆。
しかし、この少数のではでも食事助言単独でも重要な役割を果たすということを見出した。
ひとつのランダム割り当て研究では、6年後に、対照群では67.7%の糖尿病発症だったが、介入群では43.8%であった。33%のリスク軽減率
もう一つの研究では12か月の食事助言にて優位に糖尿病関連要因、すなわちインスリン抵抗性、空腹時Cペプチド、空腹時プロインスリン、空腹時決闘、空腹時TG、空腹時コレステロール、PAI-1の減少を認めたのである。
この2つの研究にて、食事助言単独でも2型糖尿病発症減少に重要な役割を果たしていると考えられるが、まだより良質のデザインの、長期研究がなされるべきである。
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs312/en/
by internalmedicine | 2008-07-16 09:40 | 動脈硬化/循環器