ROSと高血圧
2008年 07月 17日
血管のトーンに関する様々なファクターとあり、ROSは最近取りざたされている。
こういった血管などの話題だけでなく他の免疫、炎症、腫瘍、変性疾患など、ROS:活性酸素種、reactive oxygen speciesを聞かない分野はない。泣く子も黙るこの名前ってのは嘘だが、なんでもかんでもROSと病気を結びつける割にはあんまり治療としては役立ってないような気がするのだ。
現在、
脳梗塞のラジカット(エダラボン:Edaravone) など数少ない臨床的効果をみとめられたフリーラジカル・賺便ジャーで、それとて、”edaravone may only be effective in mild patients with cardioembolic stroke”(Internal Medicine Vol. 45 (2006) , No. 5 pp.253-257:J-STAGE)と限定的範囲の限定的効果しかない。ALSなどに適応拡大を患者団体が希望しているようだが・・・あまりに小規模poorなエビデンスである。
動物実験までの基礎的な知見はたっぷり?だが・・・実際、臨床でほんとに役立ってるのか・・・というと、私のような実地しかしらない医者には???という代物という印象しか持てない。
大学や研究所に多額の寄付で利益誘導的実験を行わせ、基礎を知らない医者をだます手段にROSはなってるのだはないかとい・・・疑問がある。実験系だけが進歩し、臨床的にその真偽が確かめられないうちの、次々に基礎的知見がだされ、目くらましされているのが現状ではないか?
ROSと血圧の関係をかいたもの(Life Style Medicine 2008;Vol.2 no.3 7月 吉川敏一 etc)があったので、メモってみた。
1)過剰なROSが血圧発症に関与している傍証:ROS消去系抑制(グルタチオン合成阻害薬投与など)で血圧増加、SODで血圧低下、過剰なROSは筋小胞体ATPaseを不可逆的に参加させ、小胞体へのCa++取り込みを阻害する。
腎髄質で産生されるNOは血管を拡張させNa+排せつ促進的に働くが、過剰な食塩負荷にてNADPHオキシダーゼによるROS産生を刺激する
2)高血圧によるROS産生およびRAA系:血管内皮進展張力増加にて、ROS産生増加(NADPHオキシダーゼ活性を介した機序)、AII、アルドステロンがやはりNADPHオキシダーゼ経由でROS増加
3)血管内皮機能とNOS ”NO:血管内皮依存性弛緩因子→cGMP増加”。ROSはNOと反応して弛緩反応を抑制する。NOとスーパーオキサイドの反応が早く、NO消去に対してスーパーオキサイドは影響大
NOとスーパーオキサイドの反応で、ONOO- がさらに影響を及ぼす
4)その他、高血圧自然発症ラットで、細胞親和性の高いSOD様物質(tempol)による交感神経抑制による降圧
プラーク破裂に関するスキーム
by internalmedicine | 2008-07-17 05:37 | 動脈硬化/循環器