下痢型過敏性腸症候群治療薬:イリボー
2008年 07月 17日
http://www.excite.co.jp/News/release/JCN44702.html
これを見ると、男性における下痢型過敏性腸症候群治療剤と書かれている。
外国の先行類似薬の女性のみ使用と真逆であることが興味深い。
先行類似薬:5-HT3 receptor antagonistであるAlosetron
これはすでに、他国では発売され、問題を起こしているらしいと・・・新薬「ロトロネックス」のFDA再承認に疑惑と不安、BMJ誌が報道
この問題を知ると、積極的に営業の声が聞こえないのもわかるような気もする
最初は厳格な処方限定的措置がなされるだろう・・・と容易に想像できる。
この薬剤は18歳未満・男性では使用禁止であるのだが・・・イリボーのパンフは女性が一人とその他男性だらけ・・・
Alosetron:Lotronex (alosetron hydrochloride) Information
米国で2000年3月発売後、重篤な胃腸障害イベントが発生、特に虚血性大腸炎[ischemic colitis]と便秘により、2000年11月28日に市場回収。 2001年12月再申請。 下痢優位の女性IBS患者の適応で厳しい使用制限でFDA再承認された
http://www.medmk.com/mm/add/mp_ibs.htm#alosetron
Medication Guide(pdf)
A. LOTRONEX は、慢性IBS女性患者のみに使用する薬剤である
・主に下痢、他の治療で充分でない場合にのみ使用すること
B. LOTRONEX服用で、重度の腸管副作用を発症する場合がある
小腸合併症は突然生じる
・1000名あたり約1名:重度の便秘で、入院、稀には輸血・手術・死亡に至ることがある。
・高齢者、脆弱性、他の便秘薬剤使用例では重度合併症が多い
虚血性腸炎:1000名のうち約3名という高頻度
類似薬だが、イリボーもそうそう安直に手を出してはいけない・・・と私は思うのだが、アステラスはどう説明するか?
by internalmedicine | 2008-07-17 18:18 | 消化器